なぜロードバイクは前傾をとるのか??
トライアスロン/競輪選手はなぜもっと前傾をとっているのか??
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ロードバイクで前傾をとる=「速く走り、長い時間をかけて、いろんな場所を走る」ためです。
そのために前傾の最大のメリットを3つを紹介します。
①空気抵抗を減らすため
空気抵抗の7‐80%は人、残りが機材と言われています。
速度に比例して空気抵抗が増すので、速く走るほどに重要になります。
前傾をとると前面の面積が減り、空気抵抗を受ける面積も減ります。
前傾以外にもハンドル幅・ヘルメット・ウェア・フォームなど空気抵抗にかかわるところは多くあります。
トライアスロンやタイムトライアルのバイクはもっと前面の面積が減るようなポジションになっています。
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②身体(上半身)の重さをペダルに伝えるため
ロードバイクは、ハンドルに手を置く位置によっても荷重を変えることが出来ます!
フィッティングサービス実施時にお客様に伝えることがあります。
「ロードに乗った状態(フォーム)で、手をハンドルから放して足の力を抜くとどうなりますか?」と伝えて、実際にやってもらうことがありました。そうすると
【身体が前、下方に落ちていきます。これをぺダリングに利用して下さい!】
身体が前下方に行くということは、ペダリングの「上死点から重力方向と同じになり最大値を発揮する3時付近のペダリング」に身体の重さを使えるという事です。(↓画像①-③)
筋力だけでなく荷重移動もペダリングに利用すると、効率も良くなります。
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③ペダリングに必要な筋肉を使いやすくするため
上の絵より、前傾を取ることで体幹の筋肉で持久力もある臀筋(緑)と大きな筋肉である大腿四頭筋(赤)を使いやすくします。
よく、スピードスケートと自転車は近似性があると言われています。
スケート選手がオフで自転車のトレーニングをしたり、古くは橋本聖子や松井宏佑選手のように転向してもトップレベルの人も多くいます。
身体付きも似ています。
ともに前傾で走る競技です。
腸腰筋(見えにくいですが)・殿筋群・大腿部の筋肉が大きく発達しています。
前傾により①②のメリットだけじゃなく、ペダリングに必要な筋肉を使いやすくしていると言えます。
他にも腰部・腹部の体幹の筋肉をしっかり安定させることで上半身と下半身のうまく連動させて、全身の筋力を使って走ることが出来ます。
(ダンシングやスプリントなどのサドルからお尻を浮かしてのペダリングは、より全身の筋力を協調して使う必要があるので体幹の筋肉が大事になってきます)
前傾のデメリット・注意点
前傾(ハンドルポジション)を「走行負荷・ペダルへの抗力(スピードなど)」=「バランスの合うハンドル位置(の範囲)」にする必要がある
前傾時の上半身の重さに対してペダルへの抗力が小さい(時速が遅い/ケイデンスが早くて空回りみたいになる↑画像左)と
上半身の重さ>ペダルへの抗力となり、体が前・下方にずれようとします。⇒手でずれるのを支えると首や肩への負担が増えてしまいます!!
つまり設定スピードに対して前傾をとりすぎとも言えます!!
距離重視やスピードをそれほど上げない人の前傾は浅くて良いという事です。
空気抵抗も速度の二乗なので、スピードを上げないほど抵抗感が減ります。
逆に(上写真の右側)
前傾時の上半身の重さに対してペダルへの抗力が大きい(空気抵抗など、時速が早い/登坂などで踏力が必要)と
上半身の重さ<ペダルへの抗力となり、足りない分を筋力で補い抑え込む必要がでます!!
腕で引き付けたり、下半身の筋肉を含めより多くの筋肉を動員する必要が出てきます。
ハンドルが高く近いと上半身の重さが足りないので、(設定スピードに対して)前傾が足りないのかもしれません!!
(この場合はハンドルポジションを変えて、前傾が深いポジションも試してみましょう)
★ただし、運動強度が上がれば上半身の重さだけでは足りない場合も出てくるので筋力で補うしかありません。
筋力を発揮しやすいハンドルポジションも重要です。
ハンドル形状・ブラケットの位置なども筋力発揮の面で重要です。
㊟抗力と表現しましたが、反力とも悩みました。
専門ではないので広義でとらえて頂ければと思います。
注意点、前傾が深ければ良いわけではありません!
深い前傾ほど、股関節の可動域が狭まり、足を回しにくくなります。
特に上死点付近が詰まり、ペダリングを妨げやすくなります。
頭部も下がるので前が見にくくなり、安全性も下がります。
むりに前を見ようとすると首などを痛めることもあります。
登坂・下り・平地、向かい風・横風・追い風、集団・個人走行など様々なシチュエーションでのバランスを考える必要があります。
フォームやぺダリング(スキル)なども考える必要があり、自分に合わせて変えることも大切です!!
ご理解いただけたでしょうか?
自転車は機材スポーツなので、自分自身を突き詰めることも大切ですし、機材で解決できることも多くあります。
ポジションについてはこちらも参考にして頂ければと思います。
乗っていて痛みや違和感にお悩みの方はこちらも参考にして下さい。
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