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Makoto.AYANO/cyclowired
ほのたろー・越澤様・KhodaaBloom様
ありがとうございます。
この日が来るまで長かった…。
11月に行われる『ツール・ド・おきなわ市民210km』までモチベーションを保ち続けることが…。
【ツール・ド・おきなわ市民210km】
レースに興味がある方なら、誰もがその名を聞くであろう【国内最高峰】のレース!
今年の市民210kmは、370名程の参加となりました。
その集団が時速50km/hで、島の中海岸沿いを駆け抜けていくのはもうツールの世界そのものです。
そして、これはサイクリングではなく、レースであり、各所に【関門】が設けられ、タイムアウトするとその時点でレース終了となります。
日本のレースとして他に類を見ない厳しさゆえに、ステイタス、出場選手のレベルもめちゃ高いです。
つまり、難易度はメチャクチャ高いと思われます。
他にも様々な距離、年齢別のレースもあったりで、
イベント参加者は4500人以上にもなり、毎年大変盛り上がります。
ワイズロードからの市民210km参加メンバーは、私と船橋店の村松さん2名。
毎年、ここ沖縄で会えるチームメイトです。
今年も超強力な出場選手が多数参加。
優勝候補大本命、有名すぎる最強ホビーレーサーRoppongi Express(ロッポンギエクスプレス)王者・高岡さん。
もはや説明不要ですかね、このおきなわ市民210km4勝、今年のグランフォンド世界選手権年代別2位。世界2位・・・。
昨年度の2位:井上選手、3位:河合選手、4位:青木選手、5位:松木さん、6位:中尾さん、7位:清宮選手。
と1~7位がズラリ。
そして今年も出場されます『山の神』森本誠さん、『元・TT全日本王者』中村龍太郎さん、輪島を制しているバルバ寺崎さん、なるしま小畑さん、
乗鞍でも表彰台常連の板子さん・・・
もう出場者リストみるとキリがないです。
そんな私のゼッケン「NO.414」
ゼッケンナンバーに関しては、昨年の成績順位が反映され、今年は上から14番目に名前を載せて頂いております。
そしてシード権を獲得しており、優先的に前列へ並ぶことができます。
【当日】
まず気温が例年よりも5度以上?低い。
これは間違いなくレース展開に影響でそう。
©Makoto.AYANO/cyclowired.jp
スタート前。
今年はほぼ最前列。
そして、わかりますでしょうか?後ろまで続くこの大人数。
ある者は優勝を。ある者は入賞を。ある者は完走を。ある者は前回を超える為に。
210kmへトライしているのです。
スタート前にチームメイトの村松さんと握手を交わす。
願わくばゴールでお会いしたい。
高まる集中力。
緊張・・・シテマス。ハイ。
号砲と共に鳴り響く太鼓の音。
午前7時27分戦いが始まる。
そして、ソッコーで集団に飲まれる。
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昨年とは違いチェックすべき選手はあらかた覚えたので、その人たちをマークする。
とは言え、
毎年、山岳に入るまでの70kmの間に落車が何度か起こるので緊張感とストレスは半端ない。
今年は山に入るまでに、できる限り脚を使わない事を心がけるのだが・・・
序盤にして他選手のゼッケンがフロントタイヤに貼りつくというアクシデントが起こる。
走りながら取れないか試みるも、そんな超人的動体視力も瞬発力も持ち合わせているハズもなく、
止む無くバイクを降りて貼りついたゼッケンシールを剥がす。
(こんなの貼りついたままコーナー曲がるとか死ぬ・・・。)
あぁ・・・せっかく前列スタートだったのにかなり後方へと下がってしまった。
ただ、先は長い。
焦らず、前方へと上がっていこう。
ポジティブに考える。
道いっぱいに選手が広がっているので、上がっていこうにも・・・なのですが、こういうのもようやく慣れてきた感はあります。
エネ餅を補給。
危険ポイントは把握できてきている。
というのと、咄嗟の時ように幾分かのマージンをとって走行しているので、ある程度は・・・大丈夫・・・なハズ。
そして落車は起こった。
急ブレーキに飛び交う怒号。
完全に停止してしまった上に、
落車に巻き込まれた選手たちで道が塞がれ、再スタートをきれない。
進んでいく先頭集団。
これ、やばくねー?
踏むしかありません。
山岳に入るまでに、ヤバイところきた。
パワーをみると700w出てる。
ぐ・・・脚使ってるがな。
しかし、ここで追いつかねばレースにすらならない。
で、その甲斐あってか無事集団に帰還。
兎にも角にも、まずは最初の山へ。
今年は昨年と違い、コンディションはかなり良い。
森本さんや、板子さんらの驚異の登坂力もまだこんな最初の山岳で火は吹かない。
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先にも述べた通り、気温が低いせいで非常に走りやすい。
ここまでの道のりでドリンクも一本空くかな?程度。
何の問題もなく、一回目の上りをこなす。
そして下りへと入り、海岸沿いへと抜けていく。
後ろをみると大集団。
例年よりペースが遅かったのかな?それとも気温のせいか?
かなりの人数のままアップダウンをこなしていく。
明らかに人数が多い・・・。
下手に後ろ下がって、中切れに巻き込まれてはかなわん。
更に人数が大きく絞られる2回目の山岳へ。
板子さんが力強く前を引いている。
流石やなぁ・・・。と感心。
この辺りから常に視界に入れていたのは当然、高岡さん、松木さん、龍太郎さん、そして中尾さん。
特に中尾さんは同じような位置取りが多く、リズムも似ていたので走りやすかった。
特段のペースアップもなく、余裕を持って上りきる。
2度目の山頂を通過。
大集団は削られているがそれでもまだ30名以上はいたのではなかろうか。
昨年のような追い込まれ感も脚の疲労度もなく、ここまではいい感じ。
(でも怖いのでBCAAは摂取しておく。)
このコースの高速の下りも私は苦手ではない。
問題は昨年、失速して脚が攣ったこの後から始まる高江の学校坂だ。
この地点で残り80kmだったかな?
ペースが上がる。
今年は・・・いけてる。
ペースアップにも対応できてるし、心拍的にも大丈夫。
強豪が振るい落とされていく中、今日の私は耐えれている。
昨年を超えた。
まず1つクリアーだ!
続く二つ目の上りだったかな?
高岡さんが、スーッと集団から前に出る。
集団の先頭は・・・森本さんが引いてるがペースで追ってる感じ。
昨年同様こんな距離から長距離砲の如く独走されてはかなわない。
思わず、上がっていくと頂上付近で高岡さんにドッキング。
前に出て下りで踏む私。
パッと後ろ見ると、私と高岡さん。集団という形で差ができてる。
え?何この展開?
いくんか?私は?
と思ったものの絶対的パワーがないので、下りで集団から逃げれることはない。
あえなく吸収。
人数は・・・
減ったと思うが、まだまだ多い。
攣る予感は・・・めっちゃある。
だが、今日は過去最高の仕上がりなのでしょう。
この感じだと、上りで遅れることはなさそう。
高岡さんの背中大きいなぁ~とか。
井上選手やっぱり強いなぁ~とか。
森本さんのGOKISOハブ緑色やわーとか。
龍太郎さんのペダリングはこういう感じなんかーとか考えられる余裕がある。
なおも続くアップダウンにペースアップ。
徐々に人数は減ってゆく。
離されはしない。
苦しいときは相手も苦しい・・・ハズ。
と粘る。
高岡さん、井上さんの両名が圧倒的に強くレースを作っている。
いよいよ最終局面が近づいてきており、
残り20km程か?
人数は私を含め12名。
まさか自分がこの場面にまで残れているとは。
松木さんに声をかけると
「よく残ってるなぁ~」と。
チームは違えど、
意識してきた一人の選手にそう言ってもらえて素直に嬉しかった。
昨年の実業団レースで松木さんの強さは知っているし、オールラウンドな能力に魅かれたこともあったほどだ。
何より昨年の沖縄の走りを途中まで間近でみていたし、私が千切れたあとの激闘も知っている。
あの場にいたかったと何度思ったことか。。。
ずっと、追いかけてきた選手達とこの場面で走れている。
嬉しくないハズがない。
最後の勝負所羽地ダムへと続く、平坦。
不意に前にあがり先頭へでる。
後ろを振り返ると私一人と集団とが僅かながら、差ができている。
私は完全ノーマークの選手。
このまま飛び出してもある程度は逃がしてくれるだろう・・・。
決して目立ちたいからとかではない。
集団から抜け出し「11名の集団は間違いなく上りでペースが上がるから、苦しい選手はここで離れる。
私は先に入った上りである程度脚を休ませて、もう一度踏みなおす。」
少しでも上りの負荷区間を減らして、チャンスを作るというトライ。
リスクは脚を消耗すること。
夢を見に行くか。
もしくは、
・・・勝負ポイントの上りを脚を溜めて集団についていけた“なら”入賞圏内の可能性もある・・・。
自分から動くことはせず、耐えて手堅く順位を狙うか。
記憶か。記録か。
どっちだ。
・・・
・・・
ペダルに力を込める。
先導のバイクも動き出す。
行けるところこまでいく。
©Makoto.AYANO/cyclowired.jp
我ながらアホな選択したなぁとは思いましたが・・・もう戻れませんw
チラチラと後ろをみるが、追ってくる様子はなく、差が少しずつ広がっていく。
ハイペースではない。
だが、集団がお見合いをしている今ならそれでも十分。
パワーメーターに目をやる。
大丈夫。
踏みすぎていない。
集団との差は10秒と伝えられる。
差が開いているように見えてたったの10秒か!
もうちょい踏む。
そして15秒差。
©Makoto.AYANO/cyclowired.jp
僅かな時間ではあるが、この最高峰のレースのこの場面で先頭に出ている。
夢は見れたなぁ~。
全力で踏んでるわけではないので、余力は残している(つもり)。
羽地ダムへの上りで11名の集団は7名とバラけていた。
そして、掴まる私。
「ここから、もう一度つく!」
・・・予想外だったのは・・・
ここまでの道のりで削られた脚に加え、
知らず知らずに踏んでいたようで、実は乳酸が溜まっていて脚がカスカスだったこと。
(何の為のパワーメーターやねん!と)
そして、離されてたまるかと根性だした瞬間に、ギャウン!と両足の四頭筋が攣ったこと。
予兆は何度もあったのですが・・・この場面で痙攣スイッチ入りました!
©Makoto.AYANO/cyclowired.jpp※さりげに私写ってますw
7名の選手が抜いていき、
その後ろ、少し離れたところに龍太郎さんと、青木選手がいる。
2人とも苦しそうだ。
しかし・・・痙攣した脚は治まることを知らないw
今日この地点まで溜めていた反動か!っていうくらいのデカいやつキマシター。
為す術なく抜かれる。
今年もここで攣るのか!
ちゅーか、この一番大切な場面で。
(・・・まだレースは終わってません"(-""-)")
後ろからもう一名。
上ってくる。
この選手には負けないようにと、両足バキンバキンの状態で上る。
羽地ダムの上り。
最後の難関。
坂にはうつむいた時に力を与えてくれるかのように、たくさんの応援メッセージが書かれている。
そしたら、先に別カテゴリーにでたメンバーが。
photo by ほのたろー
こんなことをしてくれていた。
神!?
あなたは神!?
結局、最後の上りで掴まるんですけどね・・・。嬉しかったなぁ。
漫画のように新たな力が湧いてくるようなことは起こりません(-_-;)
詰めてきたのは昨年3位の河合さんだ。
彼ももうボロボロのようだが、二人で“龍太郎さんたちに追いつけるかも”に賭けて2人で回す。
ただ、圧倒的に河合さんの方が引いている時間が長く、ぺースも強烈。
昨年3位は伊達じゃなかった。
割合でいうと8対2ぐらい。
(上りで見えていた前二人の姿は市街地へ戻ってきた時には点すらミエマセンデシタ。)
ここまで前を引いてくれてゴールスプリントはないなぁ~と。
ゴール前。
握手を交わし、先に行ってもらう。
ツール・ド・おきなわ市民210km
11位/5:28:05.365
その3分前に優勝争いは6人のスプリントにより行われおり、
王者・高岡亮寛選手(Roppongi Express)が3連覇!!!
もはやサガン状態か。
そして、嬉しいことが。
チームメイトの村松さんが遂に210km完走!!
2013年から挑戦し続け、遂にやり遂げられました!!
冒頭でも記載しましたが、この210kmは完走すら難しいのです。
続けることで実った完走。
ご本人にとっては間違いなく悲願だったはず。やりましたね!!
レース後色々な方とお話する機会がありました。
『山の神』森本さん
『元・TT全日本王者』龍太郎さん
お二人には強かったと言ってもらえた。
そしてチャンピオン高岡さん
あの選択(集団からの飛び出し)はありだったと思うと。
緊張しまくってましたが、高岡さんからそんなご意見頂けるとは恐縮デス。
・・・レースで御三方とこんな話ができる日がくるとは・・・。
Roppongi Expressと言えば、2010年頃?に初めて自転車ブログというものを開いた時に
超絶にカッコいいグロスブラックのTIMEに乗っているメッチャ速い人という印象が記憶に残っている。
こんな凄い人と走れることなんてないやろなーと別次元のことのように思っていた。
そんな私がこんな風にレースで走り、お話もできるとは・・・
・・・そう思うと胸は熱くなりました。
今年もまたレースを通じて繋がりができました。
それも大きな。大きな。
松木さんはスプリントで2位。
知ってる方が2位は嬉しい。
嬉しさと、今年もその場面にいれなかったなぁという思いとが半々。
そんな松木さんともお話できたし、笑い話も少し。
撮影をして下さった綾野さんにも「最後のアタックは勇敢でした」と。
他にもお会いできた方々が
チャンピオンレース(国際クラス)3位
現・全日本王者 畑中選手と。
そして
そのレースを制したマトリックスの佐野淳也選手
佐野さんは不真面目でしたw(ホントは真面目です!)
最後に私の練習量ですが、9月、10月とローラーを足しても各月1000km未満。
というか2017年で1000kmを超えた月はないかもしれない・・・。
これは事実です。
なので高岡さんを始め、上位者の走行距離を知るほど不安になってもいました。
それでも自分なりに考え、違うアプローチで練習に取り組んでいたことは確かです。
去年のボロボロのコンディションと比べると雲泥の差があったことでしょう。
次回は機材編、補給食、トレーニング編でも。
新しい仲間との1枚。
毎年、全員ジャージは揃わない(笑)たったの一度も(笑)
それもいい。
昨年よりもまた一歩前進。
来年も可能なら・・・戦いたい。
その時はどんな気持ちで臨めているでしょうか。
レース後、入賞したわけでもないのに多くの方にお声をかけて頂きました。
お客様、チームメイト、メーカー様、スタッフ一同これにてとりあえずはシーズン終了となります。
2017年度もご声援ありがとうございました。
感謝いたします。
私のつたない文章力で長々と書かせて頂きました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あとは鈴鹿。
常連の皆様お待たせしました。
楽しみましょー。