ワイズロード川崎店小林です。
今回はパンクでのチューブ交換やタイヤ摩耗による交換時に、まず最初に確認するべき「タイヤサイズ」のお話しです。
『パンクしたのでチューブを交換したいけど、自分の自転車に使えるチューブが判らない。』
実はそういったご相談は結構多いんです。
なぜならば、最初はみんな、自分の乗っている自転車のタイヤ・チューブのサイズを知らないからです。
ではなぜ知らないのか。
それは、自分の乗っている自転車のタイヤ・チューブのサイズを知らなくても、乗ること自体に何ら支障は無いから。
でもそれでいいんです!何も悪くはありません。
最初は誰もみな乗る事が楽しくて仕方ないんです。
ですがある時初めてパンクして「チューブ交換」となり、自分の乗っている自転車のタイヤ・チューブのサイズを知らなかった事に気付かれるのです。
今回はそんな方に向けた、
「自分の愛車のタイヤ・チューブサイズを知る」D・I・Y(Do It Yourself)
のためのお話しです。
使えるチューブサイズを知る
パンク修理の為にチューブを交換するには、まず自分の自転車に使えるチューブを知る所から始めます。
そもそもチューブとは、タイヤの中に入っていて、空気を入れる事によってタイヤを膨らませる物です。
つまり、自分の自転車のチューブのサイズとは、
=(イコール)履いているタイヤのサイズです。
外側のタイヤ自体の大きさが変われば、自ずとチューブのサイズも変わります。
下の写真をご覧ください。
タイヤが4本写っていますが、実は全てサイズが違います。
今回はこの4本のタイヤを例にとってお話しを進めます。
上から順番に、
ロード、クロスバイク用の「700×28C」のタイヤ。
マウンテンバイク用の「26×2.1」のタイヤ。
下段、小径車の「20×1-1/8」のタイヤ。
そして、同じく小径車の「20×1.5」のタイヤです。
実はこの4つは、規格が違い表記も異なる4種類です。
順を追ってひとつづつ、対応するチューブも合わせて紹介していきます。
先ず最初に、上から2番目の、FS100というタイヤから。
これを最初に選んだのは、一番わかりやすいからです。ちなみにこれは
「インチ×インチ表記」
です。
タイヤのおおよその外径と幅をインチで表しています。
タイヤに
「26×2.10」
という表記がありますね。
このタイヤの場合選ぶチューブは写真のような表記のもの。
青い箱の中央
「26×1.80″」
の表記の下に、小さく
「INCH 26×1.80-2.35」
と書いてあります。
つまりこのチューブは、「タイヤの外径26インチ用で、タイヤの幅1.80~2.35インチまで使える。」
という事です。
よって、先ほどの26×2.10のタイヤにこのチューブは使えます。
ここまではよろしいでしょうか。
では次に一番上の、CONTINENTALこのタイヤの場合、右の方に小さく、
「700×28C」
と書いてありますね。これがサイズ表記でこれは
「ミリ×ミリ表記」
です。
タイヤのおおよその外径と幅をミリで表しています。
使えるチューブは写真の「700×25~32C」のもの。
タイヤ外径が700C用。そしてタイヤの幅「28C」が25~32Cの間に含まれているので問題なく使えます。
ちなみにこのタイヤには、別の書き方でもサイズの表記がされています。
「28×1-5/8×1-1/8」
という
「インチ×分数」
表記は、タイヤのおおよその外径と幅を分数で表しています。
そして、
「28-622」
という「ETRTO」(エトルト)表記は、これのみ他とは違い、タイヤの太さと、タイヤが嵌るリムのビード座直径をミリで表しています。
言い換えると、「ETRTO」は、タイヤの太さとタイヤの内径をミリで表しています。これだけが、タイヤ内径を表しているのがミソです。
3つとも全てこのタイヤのサイズの表記です。ただ単純に呼び方が違うだけです。
このタイヤは丁寧にも3種類の表記を、タイヤサイドに書いてくれているのです。 各タイヤの右サイドにタイヤサイズの表記があるのは、タイヤメーカーは違えどほぼ共通なのですが、どの表記で書かれているかは物によって異なります。
正直ややこしくて困ると思います。
そこで、タイヤ・チューブの交換でサイズを確認するときは、「ETRTO」を確認することをお勧めいたします。
はじめの写真下段の、2種類の20インチタイヤを例に挙げて説明いたします。
写真上のTIOGAは、
「20×1-1/8」
サイズの
「インチ×分数」
表記。
下のSCWALBEは表記が見えませんが、
「20×1.50」
サイズの
「インチ×インチ」
表記です。
同じ20インチでも使えるチューブは、全く違うものになります。
なぜか!?
ここでタイヤサイドを確認して「ETRTO」表記を探しましょう。
上のタイヤはETRTO表記が
「28-451」
使えるチューブは同じく「28-451」と書いてあるもの。
28ミリ幅でタイヤ内径451ミリ用のチューブです。
下のタイヤはETRTO表記が
「40-406」
使えるチューブに書いてあるのは「35/47-406」
35~47ミリ幅でタイヤ内径406ミリ用のチューブです。
そう、さっきのチューブより径が小さいんです!同じ20インチタイヤなのに!
このように同じ径でサイズが2種類あるのは、普通20インチ以外には無いありませんが、タイヤのサイズを見るときに一番大切なのは、ETRTOを見ることです。 ETRTOが一番共通性の高いタイヤサイズ表記であり、タイヤの規格に関わらず、最も確実にタイヤ・チューブの選定が出来ます。
まとめ
タイヤ・チューブを選ぶときは、今付いているタイヤの右サイドを見て、タイヤのサイズを(ETRTOも)確認して下さい。
バルブも確認
また、チューブを買われる場合は、空気を入れる部分のバルブ形状と、その長さも確認することが必要です。
実は自転車のバルブ形状は3種類あり、英式、米式、仏式が存在します。
これも自分の自転車に使われているチューブのバルブが一体どの種類なのかと、長さは何ミリあるのかを見ておきましょう。
仏式(フレンチバルブ、プレスタバルブ、FV)
米式(シュレーダーバルブ、アメリカンバルブ、AV)
英式(ウッズバルブ、ダンロップバルブ、EV)
もしもご自分でわかりにくかったら、サイズ表記とバルブの写真を撮ると良いでしょう。
ご来店の上、撮った写真をスタッフにお見せくだされば、使えるタイヤ・チューブをお探しいたします。
長くなってしまいましたが、これを知れば自分の自転車を知る第一歩になります。
一度、タイヤの右サイドをよくご覧になってみて下さい。
愛車の大切な情報は、きっとそこに書いてあります。