.
-
【横浜Techセンター/ ディスクブレーキ】初めての油圧ディスクブレーキ!押さえておきたい取り扱いの注意点!!【ロードバイク】
- 4342
- 【横浜ワールドポーターズ店】松野 望士 19年07月27日
横浜店松野です。
もはやスタンダードとなった油圧ディスクブレーキ!最近ではクロスバイクでも採用が増えてますね。
リムブレーキとは構造も違うので取り扱いも違うところがあるので簡単に解説します!
車輪を外してレバーを握らない
これは聞いたことがある方は多いかも?
油圧ディスクブレーキは構造上、レバーの遊びを一定に保つ機能が有ります
パッドが摩耗して厚みが薄くなるとパッドの位置を自動的に調整してくれます。
車輪を外すとブレーキローターも一緒に外れてしまうのですが、そのままレバーを握ると…
ピストンがどんどんせり出してしまい
パッドの隙間が少なくなってしまうんです!
上は極端な例ですが、ローターが入らないのでホイールが着けられませんし
レバーの遊びもパツパツになってしまいます。
気を付けていてもうっかり握ってしまう事ってありますよね。
そんなときはタイヤレバーや定規など、柔らかめのもので優しくこじ開けます。
⇓
マイナスドライバーで無理やりやるとパッドを傷めるのでオススメしません。
専用の工具なんかもあったりしますが結構大きいので…
こんな風に先っぽを斜めに削ったタイヤレバーを携帯すると便利です。
治せるとはいえ、めんどくさいのであまりやりたくないですよね。
防止策として、パッドスペーサー(ダミーローター)を挟みましょう。
油脂類、ケミカルなどをかけない
雨にはとても強いディスクブレーキですが、油分にとても弱い一面も。
チェーンオイルが一滴でも飛んでしまうと効きがかなり落ちますし
油の種類に寄ってはかなり大きな音鳴りの原因にも。
「ギーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」と
通行人が振り返ってしまう音が鳴ることもあります。
恥ずかしいですよね………
逆さまにしない(例外あり)
油圧ディスクって逆さまにしちゃいけないんでしょ!?とたまに聞かれます。
確かにその通りなのですが、整備をしっかりしていれば大丈夫です。
そもそもなぜ「逆さまにしたらダメ」なのかですが 、一般的なディスクブレーキのレバーの内部構造はこんな感じ。
分かりやすい用に省略していますが本来はこんな感じにレバーがあって
レバーを握るとピンク色で示したオイルが押されてブレーキがかかります。
で、ディスクブレーキのレバーにはさっき水色で囲った部分に
「リザーバータンク」が有ります。
温度上昇によるオイルの体積変化や、パッドの摩耗に対応するためのオイル貯蔵タンクみたいなものです。
整備の段階でリザーバー内のエアがしっかり抜けていないと
こんな風に隠れた空気が溜まってしまうことも。
ブレーキをかけてもリザーバー内に圧力はかからないので
レバーを握った感触は正常でもリザーバー内にエアが入っているかも?
この状態でバイクを逆さまにするとエアがオイルラインに上がっていってしまい
エア噛みを起こしてしまいます。
このリザーバー内のエアさえしっかり抜けていれば
バイクを逆さまにしても大丈夫です!
※時間がたつとオイルライン中の微細なエアがリザーバーまで上がってきて
しっかりエア抜きしたはずなのにわずかにリザーバーにエアが入ってる場合もあります。
心配な場合の対処法
とは言っても、輪行等で逆さまにしなければいけない時
出先でスカスカになったら嫌ですよね。
心配な時はこんな風にブレーキレバーをヒモやゴムで縛り
軽~くブレーキがかかった状態にします。
もちろん車輪を外した場合は上記のパッドスペーサー使わないとダメですよ!
ブレーキがかかった状態にすると、オイルラインとリザーバーの通路がふさがれるので
逆さまにしてもエア噛みを起こさなくなります!
あんまりきつく縛るとグリップやバーテープに跡が残るので、軽くで大丈夫です。
走行後すぐブレーキ周辺に触らない
ブレーキをかけて自転車を減速させると
運動エネルギーが熱エネルギーに変わり、ブレーキが熱くなります。
長い下りの後やハードブレーキングの後はブレーキも非常に高温になるのですが
シマノの資料によると最大で400度を少し超えるぐらい!!
本格的なチャーハンを鉄製の中華鍋で作る時の温度は
最高でも300度を超えるか超えないかぐらいらしいです。
ローターやパッドの表面温度なのですが
キャリパー等も当然高温になるので注意です!!
ブレーキローターをぶつけない
車輪が多少歪んでも問題なく走れるのがディスクブレーキのメリットの一つです。
しかし!ローターも鉄製とはいえ厚みは2mm程度しかありません。
輪行する時に力がかかってしまったり、立てかける際にぶつけてしまったり…
あまりにも大きく曲げてしまうと走行不能になる事も!
もう捨てるローターを試しに曲げてみました。
写真ではわかりにくいと思うのですが
手の力だけで走行不能なぐらいには歪んでしまいました。
こうなると数千円もするローター交換です。嫌ですよね…
初心者の方からすると
「なんか、ディスクブレーキってめんどくさい…?」と思うかもしれません。
しかし慣れてしまえば輪行も怖くないですよ!!