スポーツバイクを買う時には、いくつかのお店を回ってご検討される方がほとんどだと思います。自分自身も初めてロードバイクを購入する時はお店を何件も回っていろんな質問をしました。その中でもいちばん難しかったのがサイズ選びです。
不思議だったのが、お店によって勧められるサイズが違うことがある、という点でした。お店に在庫で置いてる自転車を売りたいから、サイズが合ってないけど売りつけようとしてるんじゃないかと疑いたくもなりますよね。そんな自分も今では質問される側になって、その理由が分かりました。
というわけで今回は自転車のサイズ選びについてお話ししたいと思います。
スポーツ自転車のサイズの違いはフレームの大きさ
スポーツ自転車でいうサイズの違いはフレーム(骨組み)の大きさの違いです。同じ自転車でも大きいサイズ(奥・56サイズ)と小さいサイズ(手前・44サイズ)ではこんなに骨組みの形が違います。
ママチャリだと基本は26インチ、背が高い人は27インチという風に車輪の大きさが変わりますが、スポーツ自転車はサイズが変わっても車輪の大きさは基本的に変わりません。(マウンテンバイクなどはサイズによって車輪の大きさが変わることもあります)
我々スタッフがサイズ感を確かめる時に重視するのはサドルの高さとハンドルの高さの位置関係です。サドルの高さは乗る人の足の長さで決まるので、それに対してハンドルの位置が高すぎないか・低すぎないかを基本にサイズ感を確認します。
小さいサイズだと骨組みの三角形は小さくなり、ハンドル位置は低く・近くなります。
大きいサイズだと骨組みの三角形は大きくなり、ハンドル位置は高く・遠くなります。
試しに身長170㎝ぐらいの方の平均的なサドルの高さに合わせて比べて見ます。
160㎝ぐらいの人向けのサイズだとハンドルがガクッと低くなって前傾姿勢がキツくなります。サドルがニョキっと出すぎて見た目もアンバランスな感じですね。
逆に180㎝ぐらいの人向けのサイズだとハンドルの位置は高くなりますが、ハンドルまでの距離が遠くなって前のめりにしがみつくような感じになりやすいです。サドルも高さが出ず、見た目もカッコイイとは言えませんね。
適正なサイズだとハンドルの位置は低すぎず高すぎず、ちょうどいい高さに設定することができます。見た目もバランスよく見えませんか?
ややこしい原因はサイズの測り方の違い
で、自転車のサイズ選びをややこしくしているのが、メーカーによってサイズの測り方や表記の仕方が全然違うということです。他のお店では52サイズがいいと言われたのに、また別のお店では違う自転車の50サイズを勧められると??と首を傾げてしまいますよね。
Sサイズ、Mサイズという書き方だとメーカーによって基準が違うのはなんとなく分かります。洋服でもユニクロのMサイズと高級アパレルブランドのMサイズは全然大きさが違います。でも、50や52という数字で書いてあるのにお店によって、あるいは自転車によって勧められるサイズが違うのは何だかおかしな話です。
その原因は、メーカー側のサイズの測り方(書き方)が統一されていないからです。
基本的にサイズは骨組みのこの部分(シートチューブ)の長さで表します。これをどこからどこまで測った数字を言っているのかがメーカーによって違うのです。
基準点はクランクの回転軸の部分(ボトムブラケット)の中心。これはどこのメーカーも同じです。問題は上端をどこまで測るか。
骨組みの上端までの実際の長さ(実長)。これは分かりやすいですね。
この接合部分の中心点(シートチューブとトップチューブの芯)
ややこしいヤツその1。作ってる側にとっては大事な意味があるんだと思いますが、乗る方からすると そこで測られてもよく分からん という感じですね。
ややこしいヤツその2。水平換算というのがあります。
昔の自転車は骨組みの上側のパイプ(トップチューブ)は伝統的に地面と平行でまっすぐなのが当たり前でした。なので、その伝統に則って骨組みが水平だと想定して測るとこれぐらいの長さになりますよという数字です。自転車の世界にはこういう昔からの古い慣習のようなものがそのまま残っていることがいろいろあります。
ロードバイクを実際に測ってみると…
こちらの自転車(TREK DOMANE AL DISC)の場合、メーカーのサイズ表記は52サイズですが、実際に長さを測ると約48㎝でした。つまり52サイズというのは水平換算した時の数値です。
メリダのこのロードバイク(SCULTURA DISC)の場合はメーカーのサイズ表記が52サイズ、実際に測っても約52㎝です。つまり実際の長さでサイズ表記されています。
この自転車の52サイズは先ほどのトレックの自転車でいうと54サイズに相当するサイズ感です。なので、トレックの52サイズはアナタに合うけどメリダの52サイズはアナタにはちょっと大きいよ、ということが起こります。自転車によって勧められるサイズが変わるのはこれが原因です。
ジオメトリ表が理解できればアナタも自転車通!
お店に実物があれば、実際にメジャーで測れますがお店に実物がない場合はどうするのか?というと、メーカーのWEBサイトやカタログなどに自転車の設計寸法(ジオメトリ)が公開されています。
自転車の製品情報のページにこんな図がありませんか?これがジオメトリ表です。この設計寸法のデータを見て、お店にある自転車の中でできるだけ数値が近くてサイズ感が似ていそうな自転車があれば、それにまたがっていただいて雰囲気を掴んでいただくことができます。
ちなみにこの表を理解できるようになると、その自転車がレース向けなのか・サイクリング向けなのかと言った、だいたいの性格が分かるようになります。ジオメトリ表を見ながら自転車を語れるようになったらアナタも立派な自転車通です。
サイズ計測サービスがあるから安心。ご相談はワイズロードで!
では、同じ自転車なのにお店によって違うサイズを勧められるのはなぜでしょうか?
実際のところ、ほとんどの方は2つのサイズの間ぐらいでどっちのサイズでも乗れますよ、というケースが多く、このサイズしか乗れません ということの方が少ないです。例えば身長173㎝の人は(手足の長さにもよりますが)、170㎝前後向けのサイズにも175㎝前後向けのサイズにも乗ることができます。なのでお店によって勧められるサイズが微妙に違ったりするのです。
自分がお客様にご案内をする時は、ラクにゆったり乗りたいならハンドルの位置が高めになる大きい方、小回りを利かせて乗りたい方や頑張って速く走りたい方は小さい方という風に、どんな乗り方をしたいかで選んでいただくと良いですよ、とお話しさせていただいています。
ですが、小さめサイズを勧めたがるレーサー気質のスタッフもいれば、ゆったりサイクリング派で大きめサイズを勧めたがるスタッフもいたりと、人によってクセがあるのも事実です。
そのためワイズロードでは、ロードバイクをお買い上げいただく際には必ず計測器を使ってサイズ計測をさせて頂いております。
計測結果とメーカーが公開している設計寸法のデータを照らし合わせて、客観的な数字を元にサイズに無理がないかを確認してご案内させていただきますので、難しく考えずまずはスタッフにご相談ください。
なおサイズ計測は有料で行っているサービスとなりますが、自転車のご購入が決まった方はワイズロードの会員登録(無料)をしていただくとサイズ計測の料金がキャッシュバックされますので、実質無料となります。
その他、会員様限定のセール価格アイテムや通販サイトでの会員様限定セールなども実施しておりますので、ぜひワイズロードをご利用の際は会員登録をお願い致します!
例年 春になると自転車をお求めの方が一気に増え、ご納車が順番待ちになって通常よりもお日にちがかかる状況になります。2月~3月アタマごろの寒い時期は比較的ご納車までスムーズに進められる時期となりますので、新生活に向けて新しい自転車をご検討の方は早めのご検討・ご購入をお勧め致します。
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