V4Rsに試乗して息も絶え絶えにブースに帰ってきた時のこと。
名古屋店のホッシーに「C68は遊びで乗るなら最高です!」と言われて、そんな事あるか?と思っていたのですが・・・
本当でした。
コルナゴで・カーボンで・クラシック!
♧COLNAGO C68 F/S ¥913,000-(税込)
〇まずは見た目
トップチューブに書かれたエルネスト・コルナゴ氏のサインが無くなったとしても、伝統の「C」であることは変わらず。
現代的な解釈で再構築されたラグドフレームと美しいグラフィック。本社(自宅)の工房で作られるハンドメイドフレームというのも変更ナシ。
レースで強いコルナゴ路線をV3やV4に任せたことで、逆に吹っ切れたというかなんというか。モノとしての魅力に溢れる従来のコルナゴっぽさを全力で追求し始めたような気がします。
〇乗ってみての第一印象
V4Rsに続いての試乗だったので、軽いという印象はそれほどでもない。ただ、ハイエンドモデルっぽい気難しさも感じない。
比較対象がイケイケ過ぎてるという可能性もありますが、ジェントリーな乗りやすさすら感じます。
とりあえずポガチャルには似合わなそう
〇乗り心地
コースインして真っ先に感じたのがハンドリングの安定感。大げさな表現になるかもしれませんが「転ぶ気がしない」。
モノコック構造とラグ構造の違いによるものなのでしょうか。ヘッド周りの剛性の高さからなる接地感がスゴい。確かに遊びで乗るならこれかも。
C60やC64で感じた、意外と乗りやすいけどギリギリの状況ではイマイチ信用し切れない危うさや激しさのようなものが薄れた印象です。
これならこの先登場予定のオールロードやグラベルにも期待できそう。
〇加速性能
さすがにV4Rsのような暴力的な加速とまではいきませんが、空力性能も意外と高く、力強い加速感と共にグイグイ速度が上がっていきます。
もちろんフロント周りの安定感は保たれたまま。ハンドルをコジるような強めのペダリングでもバイクがブレることなく真っすぐ進んでいく感覚は往年のイタリアンバイクのよう。
その頃とは明らかに違うのがコーナリング性能の高さ。ユラっと倒れ込むような変なクセも無く、自然な感覚で曲がっていきます。
あらゆる面で余裕を感じる大人なバイク
〇総評
レースで勝つために生まれた戦闘機ではなく、レースで勝つことも出来る超高性能な万能機という路線に舵を切ったかのような「C68」。
ハイエンド=レース機材、というステレオタイプな考え方で凝り固まっていないあたりが自転車王国イタリアっぽいというかなんというか。
数値に振り回されているライバルを横目に、こんなにも感性に訴えてくるフレームをリリースしてくるコルナゴの懐の深さに脱帽です。
難点があるとすれば、存在が唯一無二過ぎてこの走りをミドルグレード機では再現不可能なことくらいでしょうか・・・
[ysid 2023000000755]