味の素スタジアムでのスタッフ試乗会は今年が初めて。
季節は真冬。晴れているとはいえ気温は低め。さらに朝イチの路面は一部ハーフウェット。そんなコンディションの中で、初っ端に乗るべき車体は何が相応しいのか。
自走組と違って、身体が暖まっていない状態であまりピーキーなバイクに乗るのも危険と考えた結果、乗りやすそうな印象のコレをチョイス。
ただ、この後予想外の展開に・・・
午前中のベストがこの838になるとは正直思ってもみませんでした。
懐かしのモデル名が復活!!
♡DE ROSA 838 F/S ¥352,000-(税込)
〇まずは見た目
造形的には極シンプル。MERAKっぽいといえばMERAKっぽいのですが、SKやIDOLと比べてしまうとデローザらしい色気は控えめ。
ただ、このブルーの感じはウーゴが好きそうで〇。
〇乗って見ての第一印象
デローザの中では最廉価モデルということで、それほど期待しないで乗り始めたのですが、予想外の軽快さに驚かされます。
もっさりした重さやダルさが感じられない、スッキリとした走りの感覚は良く出来たミドルグレード機のよう。
デローザらしい?らしくない??
〇乗り心地
驚くほどクセが無い。丸パイプフレームなのが良い方に出ているのかも。
デローザのバイクは特に「速く走らせるためのお作法」が多い印象だったのですが、とにかく普通に乗れて普通に走る。
フレーム剛性がほどほどなので脚当たりは良好。踏んでも回してもOK。半年クロモリロードしか乗っていなかった鈍った脚でも問題なくバイクを進ませることができました。
〇加速性能
ここが一番驚かされました。軽快にスルスルと上がっていく速度。そこにエントリー機っぽいルーズさは感じられません。
緊張感を伴う高速度域までは引き出せませんでしたが、乗っていて楽しい一般的な速度域なら全く不満がないレベル。BB剛性がそこまで高くないからか、ダンシングの振り~戻りもゆったり目でリズムが取りやすい。
初めてのデローザとしてだけでなく、初めてのカーボンバイクと考えても文句なしの完成度と言っていいでしょう。
これだからイタリアンブランドってヤツは!
〇総評
838の試乗後に代理店の営業さんと冗談交じりに話していたのが。
「この出来の良さは絶対にたまたまだよね」
元々が工房というのもあって、モノ作り気質が強いデローザ。
数値データより感性の要素が強いため、完成するまでどんなバイクになるのか誰にも予想できないという危険が常にあります(ファンはそれも込みで楽しんでいるフシがあるのですが)。
で、この838 DISCは完全に「当たり」。
狙ったものかたまたまなのかはクリスティアーノさんに聞いてみなければ分かりませんが、ビギナー向けのデローザと考えると文句なしの完成度。
ただこれがデローザ!と思ってSKやIDOLにステップアップするのは危険かも。フレーム特有のクセの強さに面食らう可能性も大・・・
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