実は以前、ロット・べリソルカラーの「FENIX」に乗っていました。
その時の印象は「良く出来たレーシングバイクのエントリー機なんだけどグライペルは本当にコレで石畳を走っているのか?」というもの。
基本に忠実というか、きちんとペダリングすればきちんと反応するという特性で、競技志向のライダーを育てるためのバイクに思えました。ただし乗り味は言うほど快適ではない・・・
というわけで。何年振りかに乗るFENIX。
最新モデルの「SLiC」の進化の度合いはいかに。
リドレーは全てがレーシングモデル
RIDLEY FENIX SLiC F/S ¥324,500-(税込)
〇まずは見た目
前作となるFENIX SLにNOAH譲りの空力要素をミックス。シルエットは大きく変わっていないのですが、スッキリした印象になりました。
ヘッドチューブが長いのは相変わらずな感じ。
〇乗ってみての第一印象
ちょっとそこらを転がすだけ、みたいな乗り方だと「ノスッ」とした感触なのは、まさに自分が知っているあのフェニックスな感じ。
これは短時間の試乗だとちょっと手強いヤツかも・・・
モデルの違いは使用するシーンの違い
〇乗り心地
パヴェ(石畳)で鍛え上げられた!という触れ込みから想像すると、拍子抜けするほど普通。特別しなやかな感じもありません。
ハードな石畳路面を「楽に快適に」ではなく「跳ねずに速く」走るためのバイクと考えればそれも納得なんですが。
同じエンデュランス系でも切り口が色々あるという事です。
〇加速性能
BBをたわませる意識でしっかりと踏めば、バイクがそれに応えてくれるというキャラクターは変わらず。
驚きの速さみたいなモノはないものの、ペダリングが上手くハマった時に感じる伸びのある加速が気持ちいい。エアロ性能が上がっているからか、ある程度スピードが乗ってからの方が良く進む印象です。
コレを思い出した途端乗りこなすのが楽しい!という感覚が沸々と・・・
得意・不得意がハッキリしているのが潔い
〇総評
手取り足取りバイクが助けてくれることを期待すると「ちょっと違う」となる感じは、相変わらずのフェニックスでした。
全方位的に程々を目指すのではなく、尖らせるところと目を瞑るところをハッキリ切り分ける。中級機ながらレースを意識してメリハリを利かせた設計が実にリドレーしています。
その特性を理解して乗りこなし、自在に速く走らせることができるようになれば、乗り手のライディングスキルはアップすること間違いなし。
自転車競技が「国技」とも言われるベルギー。
ワウトさんやトゥーンス、アーベルマートやバークランツも、こういった基本性能の高いバイクでベースのスキルを磨いたのかもしれません。
いい意味でクセが強めの「FENIX SLiC」。その個性的な乗り味から色々とバックボーンが想像できるのも、自転車趣味の醍醐味の一つです。
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