SpeedplayがWahooに買収されたのが2019年の出来事。それからWahoo Speedplayとして新しく発売されたのが2021年3月。
旧型Speedplayでは3,200kmもしくは3ヶ月に1回、グリスアップが推奨とされていました。それが新型Wahoo Speedplayではメンテナンスフリーに。ヘビーユーザーとしては非常にありがたい進化を遂げてくれました。
この発表のとき、POWRLINK ZEROも一部公開されていましたが詳細は謎に包まれたまま。
翌年2月にいよいよヴェールが脱がされ、5月に発売が決定しました。
パワーメーターは有れば確実にロングライドも楽になりますし、トレーニング効率も跳ね上がる最高のアイテム。
しかし、2023年9月現在、POWRLINK ZEROの価格は
シングル(片足計測)が96,800円
デュアル(両足測定)が151,800円
今も昔もパワーメーターとは、おいそれと買えるものではないのも事実です。
どんな風に役立つのか、実感できる機会がなければなかなか手を出すのは難しいと思います。
でも実はインターテックからこの高級ペダルがレンタルできることはご存知でしょうか?
今回、インターテック様よりPOWRLINK ZERO DUALをお借りし、4日間で900kmというアホみたいな距離使用させていただきましたのでそのレビューです!
Wahoo Speedplayレンタル方法
レンタルの方法は至って簡単。
インターテックのオンラインストアからPOWRLINK ZEROの10日間お試しレンタル品を選択。
あとは普通の通販と同じく商品(レンタル品)をカートに入れて注文するだけ。
数日で届きますので、届いてから10日間使用することができます。
使用後は返送用伝票を記入し、返却するだけ。
さらには返却後は期限付きの『4,400円』クーポンをもらえます。これを利用してPOWRLINK ZEROを購入することができますが、そうすれば実質0円でレンタルができたことになります!
「検討しているけど実際に使って試してから考えたい」という方にピッタリのサービスです!
詳細はインターテックオンラインサイトをご参照ください。
ハイテクキャンディがやってきた
旧型Speedplayはその形とカラーバリエーションの豊富さから、一部では「ペロペロキャンディー」と呼ばれていました。
私は旧型をペロペロキャンディ。新型をメカキャンディ(無機質な見た目になったため)。POWRLINK ZEROをハイテクメカキャンディと呼称しています。
箱から漂う高級感。。。
二股のtype-C充電ケーブル。コレは?
なるほど。変換器に繋ぐのか。
1回の充電で稼働時間は75時間とかなりのものですが、もし仮にそれ以上の長旅に出るとなったとしても、この変換器さえ持っていけばスマホの充電ケーブルで充電ができるということですね。
ペダル型は交換も楽々!ただし...
着脱に必要な工具は8mmのアーレンキーのみ。お借りした4日間のうち、前半はチタンバイクに。後半はARIAに取付け使用しました。簡単に交換できるので、1つ持っておけばどのバイクでも使えるのがペダル型の最大の強みですね。
ただし、ポジションは要チェックです。
SpeedplayのQファクターが53mmに対し、POWRLINKは55mm。これに関しては「たかだか2mm」と考える人もいれば、「えぇ!?2mmも違うの!?」となる人も居るでしょう。特にSpeedplayというポジション調整に長けたペダルを選ぶ人はポジションに拘る人は多いハズ...。要注意です。
スタックハイトの違いはペダルの厚みを見れば一目瞭然。ポジションは上に1.5mm高くなってしまうため、サドル高も調整が必要になることでしょう。
インプレッション!
ファーストインプレッション
起動すればLEDが点灯しますが、そこで思った「スゲェ!!光ってる!!」なーんて小学生並みの感想はさておき、まず第一に感じたのはスタックハイトの違いによる違和感。ここで言う違和感は決して悪い意味ではなく、バイク特性が変わったような印象・ペダルの回転軸が遠ざかったことによる微々たる変化を体感したというだけの話。
ペダルの上で足首を動かして、シャフトを中心に動かしてみると若干回転運動が大きくなった気がする。
というより実際に回転軸から1.5mm遠ざかっているわけなので、当たり前といえば当たり前ですが。
そしてバイクに乗って走り出してみると「なんか身長が伸びた気がする」。変な感覚ですが、すぐ慣れました。
クリート位置はQファクターが変化しないようにやや内側に調整。サドルの高さも1.5mmくらい上げましたが、流石にハンドルまでは手を加えませんでした。足裏の1.5mmがハンドルにまで及ぼす影響は身体の適応能力に任せます。実際それで全く問題は発生しませんでしたし。
コーナリングの際も踏ん張る足の位置が若干高くなったため、一瞬バイク自体のスタックハイトが変わったかのような錯覚に陥りました。
「1.5mmの違いって、感じるもんだなぁ」というのが第一印象です。
使い心地はそのままに
言わずもがな、使い心地はSpeedplayそのもの。既にSpeedplayを使っているのであれば、使い馴染みのあるクリートをそのまま使えば今までと何も変わらぬ使い心地のまま、パワーメーターを導入することができます。
ただし、前述の通りQファクターは2mm広がるため、クリートは2mm内側にずらす必要があります。更に、シューズのソール形状によってはポッドと接触しないようにクリートスペーサーを挟む必要があるとか。。。
実際どのシューズがそれに該当するのかは分かりませんが、少なくともSHIMANOのRC701とRC702の41ワイドサイズではスペーサーを必要とせず、問題なく使用できました。
”Absolute Performance Data”
ライドを楽しむにあたって、「ペース配分」は超重要。そしてそれを管理するには数値データが必要になってきます。
数値データ導入のハードルは
スピード<ケイデンス<心拍<パワー
の順でしょう。
しかし、スピードは風向きや勾配によって変化します。
ケイデンスも適正なギア選定をできるようになっていない状態で数値にとらわれ過ぎれば、キャパオーバーになってしまうこともあります。
心拍はペース配分にはかなり有力なデータですが、筋肉の疲労や呼吸数、コンディションなどによって刻一刻と変化していくため、「自身の肉体と相談すること」が前提です。
ところがパワーは全てが一目瞭然となるデータ。「いつもよりパワーが出ない」と分かればコンディションがよろしくない状態。「何故かスピードが乗らない」と思っても、パワーがいつも通りであれば風向きや傾斜の影響であることが予測できます。
50kmの工程を、全力で25km走って残りの25kmをだら~っと走るのと、一定のペースで50km走るのでは、筋疲労などの観点から後者の方が楽になります。
風向き・斜度などに影響されず、コンディションも一目で分かるパワーというデータはペース配分を考えるにあたって非常に直接的な目安にできる数値です。
数値データ導入のハードル同様、ペースメイクの目安となるのは
スピード<ケイデンス<心拍<パワー
の順でしょう。
導入コストこそネックなものの、圧倒的なアドバンテージとなる事は間違いないアイテムです。
今回お借りして行ったライドで、約300kmをAve.30km/hで走ったり、「ライド後半の峠」を最速タイムで登れたのもパワーを指標としたことによって、最適なペース配分ができたことによるものです。
まとめ
はてさて、長くなりましたが、これでもまだ書き足りないくらいです。
私は以前使っていたパワーメーターが壊れてしまったため、次を考えているところですが、十中八九POWRLINK ZEROを選ぶでしょう。
POWRLINK ZEROを検討されている方は是非「高橋」あてにお問い合わせください。