スマート、そして直感的。
使用してみて真っ先にそんな言葉が浮かんだ『Wahoo ELEMENT BOLT』
この度、メーカーさんのご厚意により、2カ月ほどお借りし使用させていただく機会を頂きましたので、その使用感を詳細にインプレしていきたいと思います。
Wahoo ELEMENT BOLT
ELEMENT BOLT 税込48,400円
ELEMENT BOLT バンドル 税込59,400円
(ケイデンス・スピード・心拍メーター同梱)
基本スペック
ハード面
画面サイズ:2.2インチ
重量:68.38g(カタログ値)
バッテリー寿命:15時間
ディスプレイ:非タッチパネル
画面サイズはやや小型の2.2インチ。マップの使用ありきで考える少し小さいかなと感じましたが、画面が見やすく各項目も十分に表示できるため、使い込むにつれこの大きさしかないと思わせてくれるベストなサイズ感です。マウントと一体化したエアロなボディもデザイン面の大きな魅力の一つ。どんなバイクにも違和感なくマッチするでしょう。
ディスプレイは非タッチパネルですが、凸型の物理ボタンは冬用の厚手グローブでも問題なく操作でき、操作面で特に不自由を感じる場面はありませんでした。
バッテリーについてですが、フル充電にして10時間ほどのライドに行きましたがバッテリー残量は半分近く残っていました。なのでブルべなどの超長時間ライドでない限り心配はなさそうです。
また、給電方式がUSB-TypeCというのがなにげに嬉しいポイント。こういったところにも抜かりないスマートさが垣間見えます。
ソフト面
ざっくりとソフト面の特徴をまとめるとこんな感じ。
リルート付きナビゲーション
スマートフォンやサードパーティーアプリとの同期
ワークアウトの管理
クライムの管理
残念ながら私は心拍メーターやパワーメーターを導入していないので、ワークアウトなどのこれらに関連する機能は十分に活用できませんでした。かといって私にとってオーバースペックかというとそういう訳ではなく、他の機能だけでも十分にその価値を発揮してくれました。以下では使用して特に強く感じたELEMENT BOLTの機能面の特徴についてご紹介していきます。
視認性を超える直感的な“分かりやすさ”
ELEMENT BOLTを使用して一番最初に驚いたのは画面の見やすさです。走行中時には1秒にも満たない時間で画面上の情報を認識しなければならないサイコンにとって見やすさは不可欠な要素。ELEMENT BOLTでは64色のカラーディスプレイを採用しているため、明るく鮮明な画面表示によりとにかく文字が見やすいです。小さめなボディでも十分に感じられるのはこの文字の見やすさに起因するところも大きいと思います。
また勾配の表記では、下り勾配はグレー、0~4.0%は緑、4.1~8.0%は黄色、8.1~10.0%はオレンジ。更にきつい坂は赤や黒などで表示し、ヒルクライム中ほんの一瞬サイコンを視界に入れるだけで誰でも直感的に勾配の程度を認識できるようになっています。こうした色による表示はパワーや心拍表示の際より効果的になるはずです。
他にも長い登坂のはじまりに音で知らせてくれる機能や、上部のLEDインジケーターが流動的に光り、ナビの方向指示を示す機能も。さらに音の有無や音の鳴る項目はスマートフォンのアプリで設定できるので、自分好みにカスタマイズすることもできます。
ELEMENT BOLTは単なる文字情報のみではなく、光や色、音を情報伝達に用いることにより、従来のサイコンには無かった見やすさを超越した直感的な分かりやすさを実現しています。
スマートフォンの延長線上のデバイスとして
ELEMENT BOLTの優れたポイントのひとつとしてスマートフォンとの高い連動が挙げられます。ルートの作成やインストール、画面のカスタマイズなどwahooアプリを通したシームレスな連動によりこれまでにない使いやすさを感じました。
自転車走行に係わる数多の情報を小さなスクリーンで発信するサイコンは、いくら高性能といえど幾つかの物理ボタンと小さなスクリーンですべてを操作・管理するには限界があります。そこでELEMENT BOLTはサイコン内で操作する領域と、使い易さに優れたスマートフォンで管理する領域との線引きがはっきりとされており、相互間の連携をスムーズにすることでワンランク上の使用感を実現しています。
スマホでのサイコンの管理はWahooの専用アプリを通して行います。例えばルートの作成ではスマホ上で目的地を作成し、すぐにサイコンへとアップロードすることが出来るので、出先ですぐに目的地を変更することも容易です。もちろんStravaをはじめとするサードパーティーアプリとの連携もとれるので、Stravaで作成したルートを取り込んだり、サイコンでライドを完了後、無操作でライドログをアップすることも可能です。
また、アプリ上で簡単にサイコン画面のカスタマイズもできるようになっています。カスタマイズは自由度が高く、幅広い項目から表示項目を選定したり、表示項目の並び順を自由に変更できるので、見やすく使いやすい自分だけの画面を設定することができます。
あとはメッセージや電話などのスマホの通知をサイコンで確認できるので、ライドの快適度がとても上がりました!
補助としてのマップ機能
全体的にスマートな印象を持ちましたが、少し使いづらいなと感じたのはマップ回り。小さなディスプレイでマップを表示するため、ズームなどの機能は付いてますが、どうしても道路が混みあって表示されてしまい、なかなか見づらくなってしまいます。またマップには鉄道路線や駅が表示されないので、普段から鉄道ありきの地図に見慣れている分、場所の判別には苦労するときもありました。
それでもマップの使用はスマホとの連動でシームレスにルートの導入ができるのでストレスとまではいかず、サイコン上のマップは既に認識しているルートの補助として使うような形になりました。
スマート、そして直感的。
空気力学的に優れた外観、その時認識すべき事象を従来のサイコンのフォーマットに囚われず直感的な認識を可能にする情報伝達、スマートフォンとのシームレスな連動による上質な使いやすさ、どこをとってもスマートでそして直感を刺激するライド体験を提供するELEMENT BOLTは、ライド中はもちろんライド前後に至るまであらゆる状況下でその価値を発揮し、ライドの満足度を大幅に向上させてくれるアイテムでした。
今回は自身の装備不足からパワーや心拍のデータを用いたインプレが出来なかった点が残念ではありますが、かえって言えばこれらを導入していないライダーにとってもその性能を十分に享受することができ、すべてのユーザーにとって高い価値をもたらすアイテムとなることでしょう。
23/02/16 新橋店 丹羽
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