注目のペダル式パワーメーター!
Wahoo様からパワーメーターペダル「SPEEDPLAY POWERLINK ZERO SINGLE」をお借りして1週間ほど使わせていただきました!
リリースから約1年が経ちましたが、まだまだ注目のSPEEDPLAYのペダル式パワーメーターをご紹介します。
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ペダル式パワーメーターの隆盛とSPEEDPLAY
今やトレーニング目的だけでなく、ロングライドやヒルクライムのペースメーカーとして利用される方も増え、競技勢以外にも普及が進むパワーメーター。
その中でも取り付けと、バイク間の移設が簡単な「ペダル型」の完成度が高まり、今注目を集めています。
長らくロードバイク用のペダル型パワーメーターはLOOK Keoクリート対応か、シマノSPD SLクリート対応かの2択だったのですが、このPOWERLINK ZEROの登場で根強いファンの多いSPEEDPLAYユーザーもペダル型パワーメーターの恩恵を受けられるようになりました。
SPEEDPLAYが支持されている主なポイントは、
・両面キャッチ
・歩きやすいクリート
・クリートの調整範囲が広く、前後と左右を独立して調整できる
・フロート角が0度〜15度まで調整可能
という点。
実際、自身も気に入っており過去10数年SPEEDPLAYを使い続けてきました。
他のシステムと比べてメリットの多いSPEEDPLAYにパワーメーター付きのモデルが登場したのはSPEEDPLAYユーザーにとって待ちに待った「朗報」と言えるでしょう。
パワーメーター無しの通常モデルはこちら。
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ノーマルのSPEEDPLAYペダルとの違いは?
ノーマルのSPEEDPLAYペダルとクリートが共通なので基本的な使い勝手は変わりません。既にSPEEDPLAYユーザーの方なら現在お使いのクリートでそのままお使いいただけます。
旧SPEEDPLAYクリートとの詳しい互換性はこちらでご確認ください。 https://brand.intertecinc.co.jp/speedplay/#products
もちろん新品のクリートも付属して来ますので、初めてSPEEDPLAYを扱う方でもすぐに使用できます。シマノやLOOKのようにクリートポン付けではなく、独自の構造故に取り付けの工程が若干多いのですが、そこは今回のパワーメーターの話と違いますのでここでは割愛します。
詳しく知りたい方はこちらでご確認ください。
「クリート取り付け方法」
https://brand.intertecinc.co.jp/speedplay/attachment/
「セルフで出来るクリートセッティング」
https://brand.intertecinc.co.jp/speedplay/setting/
パワーメーター機能以外の、ノーマル仕様との違いはパワーメーター搭載に伴う寸法的な差異となります。
・ペダル本体が外に2mmオフセットしている
・スタックハイトが1.5mm高い
オフセットはほとんどの人がクリート調整で対応可能な範囲でしょうし、スタックハイトもサドルを上げれば対応できます。
自分はスタンス幅の狭い旧SPEEDPLAYのチタンシャフトモデルからの換装だったので、左右にスタンスが広がったためサドルを上げずとも、偶然ペダルまでの距離が調整無しでほぼ合いました。
寸法の違いはこのペダルで初めてSPEEDPLAYを使う方はゼロベースでセッティングするでしょうから、無視できる要素です。
片側計測モデルにするか両側計測モデルにするか?
POWERLINK ZEROには左右パワーの計測ができるDUALと左側のパワー値を2倍にして計測するSINGLEがあり、今回お借りしたのはSINGLEの方。
両側にするか、片側にするかは「予算」と「求める精度・情報量」によって決めましょう。
「予算」
当然SINGLEの方がお値段がお安くなり¥90,200(税込)とパワーメーターとしてはかなりリーズナブル。DUALでも¥137,500(税込)と、両側計測でもパワーメーターとしては比較的抑えめな価格設定。
「求める精度・情報量」
精度を考えたら片側計測は左右計測に敵いません。大抵の方は左右の脚力に数パーセントの差がある(1〜3%程度は普通にある)のですが、片側計測の場合その差分の誤差が出てしまいます。
左右のパワー比が48:52のライダーがSINGLEで計測した200wは、左右差を考慮したパワーに換算すると、
200÷2÷0.48≒208w(左脚100w、右脚108w)
となり片脚と両脚では8wの差があります。
これを問題と捉えるか、否か。
当然、パワーの左右比も見ることができません。
・片側でも他人との相対値ではなく個人のトレーニング指標として使うには問題ない
・そもそもパワーメーターがメーカー、モデル、個体で計測値に差異があるものだという前提に立てる
・左右差は多かれ少なかれあるものだから気にしない
・軽さを重視したい
・価格の安さを重視したい
と考えられる方なら片側計測で良いと思います。
スペック
・計測精度:+/-1%
・校正:初回のみ手動校正、以降は自動校正
・気温・標高補正機能:あり(気温-5~50℃)
・楕円チェーンリング:対応
・電源:本体内蔵リチウムイオン充電池
・電源持続時間:最大75時間
・防水等級:IPX7
・通信方式:Bluetooth、ANT+
・重量:
POWERLINK ZERO SINGLE 250g/ペア(左側138g・右側112g)
POWERLINK ZERO DUAL 276g/ペア(片側138g)
・スタックハイト(3つ穴シューズの場合):13mm(パワーメーター無しのノーマルモデルだと11.5mm)
・Qファクター:55mm(パワーメーター無しのノーマルモデルだと53mm)
実走テスト!
1週間お借りすることができたので、平日のZwiftライド数回と、休日の実走2回で試してみました。
POWER2MAX TYPE-Sスパイダー式パワーメーターとPOWERLINK、2つのパワーメーターで同時計測
(SINGLEなので右にはパワーメーター無し)
サイコンを2つ付けて2つのパワー値を記録
Zwiftでは
・POWERLINK ZERO
・SARIS H4スマートトレーナー
・POWER2MAX TYPE-Sスパイダー式パワーメーター
の3つでトリプルレコードを録り、実走では
・POWERLINK ZERO
・POWER2MAX TYPE-Sスパイダー式パワーメーター
の2つでダブルレコードを録りました。
結論としては、計測方式の違い・個体差・気温の影響などを受ける「パワーメーターの計測値は違って当然」という、当たり前の結果を再認識する結果となりました。
ざっくりこんな傾向です。※あくまで自分の個体の場合
POWERLINK ZERO > SARIS H3 > POWER2MAX
実際の計測データはこちら。
(キャリブレーションの有無、気温・暖気の有無などの前提条件は面倒で控えてなかったので参考程度に)
Zwiftでの計測例。その①
Zwiftでの計測例。その②
Zwiftでの計測例。その③
実走での計測例。その①
※文字が小さいですがグラフ下部でそれぞれの平均パワー値が分かります
赤:POWERLINK SINGLE/青:POWER2MAX TYPE-S
実走での計測例。その②
実走での計測例。その③
そこそこ違いますよね。
ただ、例えば20%とか極端に上振れ・下振れしていなければ、数%の差異はあって当たり前、と考えて目くじらを立てず、使っているパワーメーターを「自分個人の基準」として使うのがパワーメーターの健全な使い方だと自分は思っています。
まとめ
六角レンチでポン付けして、すぐに「パワーメーターとして何も気にせず使える」完成度の高さを持っています。
ノーマルのスピードプレイからの寸法変更が最小限に抑えられているので、すでにスピードプレイユーザーの方ならペダルを交換してサドル高とクリート左右位置のちょっとした調整をするだけで良いのが嬉しいですね。重量増も最小限に抑えられていますし。
何より「スピードプレイペダルの唯一無二のパワーメーター」であることが、この商品の一番の商品価値だと思います。熱狂的な支持者が多いスピードプレイユーザーが長年待ち望んでいたパワーメーター化がようやく実現したのですから。
スピードプレイファンの方も、そうで無い方も、パワーメーター導入候補のひとつとしてご検討ください!