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【Y’s TECH】シーズン前にメンテナンス!実はブレーキフルードが真っ黒になっているかも…!?定期的に交換しましょう!【油圧ディスク】
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- 【横浜ワールドポーターズ店】松野 望士 23年02月22日
横浜店松野です。
パッドが減ってもブレーキタッチに影響が無い上に、外からは内部の状態が全く分からない油圧ディスクブレーキ。
「なんか最近調子が悪い」という感じに症状が現れた頃には手遅れかも…!?
定期的にメンテナンスが必要なんです!!
パッドの残量チェック!
ご納車から1年と少し経ったこちらのバイク。
シーズン前にメンテナンスの為にお持ちいただきました!
まずは大事なブレーキパッドから。
良い感じに摩耗して、そろそろ交換の頃合いですね。フィン付きのメタルパッドはお値段が高い上にメーカーが欠品しがちなのでギリギリまで使いたくなる気持ちもあるのですが、「もうちょっと行けるかも…?」とケチって使用した時に限ってトラブルになるので交換します。
回転するローターに引っ張られて面圧に偏りが生まれるので斜めに摩耗することがしばしばあります。
リムブレーキのパッドをトーイン調整しないとパッドがハの字に摩耗するのと同じ理屈ですね。
上から覗き込んだ時にまだ残量がありそうに見えても実は斜めに減っていて交換時期でした!なんてこともあるので、ホイールを外して反対側からも確認しましょう!
キャリパー&ピストンのクリーニング
パッドを外したところです。汚れで動きが悪くなり、左右でピストンの出る量がズレてしまっています。
このままピストンを押し込んでしまうと、この汚れを一緒に中に入れてしまうので気持ち悪いですよね。
という訳で自作の治具を使い、ピストンを均等に出して綺麗にします。
パーツクリーナーを直接吹きかけるのは内部のシールを傷めるので絶対NG!
攻撃性の無いクリーナーを使ってお掃除しました。
乾かした後は何回かピストンを出したり戻したりすると動きが良くなります。
フルード交換
続いてフルード(オイル)交換へ。
油圧ブレーキに使用されるオイルは潤滑油ではなく、圧力を伝えてモノを動かす作動油なのでフルードと呼びます。
上記のピストンの作業をするとマスター側からエアを吸い込んでしまう事があるので、先にそっちの作業を済ませています。
下り系バイクなのでブレーキへの負担が大きいのでオイルの状態はこんな感じ。
新品のオイルと混ざると色の違いにびっくりですね!こんなになっていても、エアが混入していなければブレーキのタッチにはほとんど異常がでません。
油圧ブレーキは作業をしてみて初めてフルードの汚れ(劣化)が分かるので、乗り方に応じて半年や一年に一回など時期を決めて作業すると◎です。
最後に、レバーを握りこむと「ギシッ」とした感触があるのでレバーを外しました。
軸を綺麗にしてグリスを塗るだけで改善されるのですが、レバー内部からパーツを取り出してみます。
SHIMANO独自の「サーボウェーブ」の心臓部が出てきました。
下の小さいパーツが上の黒いガイドに沿ってスライドすることで連続的にレバー比が変わり、独特のタッチを生み出しています。
新品の状態ではグリスが塗られているのですが、肝心のスライダー&ローラー部分はカラカラなうえに汚れまみれです。
普段洗車をあまりしない方だとグリスと砂が混ざってジャリジャリになることもあります。
本来この内部パーツはスモールパーツとして手に入りません!
分解する際に樹脂パーツが壊れたり、小さいパーツをなくすとレバー丸ごと使えなくなってしまうので基本的に自分で分解はしてはいけません。
余計なパーツを外すとピストンが出てきてしまい元通りに戻せなくなる可能性もありますので真似しないでください。
グリスを塗ってレバーを取り付ければ作業完了!
レバーを強く握ってもスムーズに動作するようになりました。
スポーツバイクは乗れば必ずメンテナンスが必要です!
どの部分をどれぐらいでメンテナンスすればいいか判断するためには経験や知識がある程度必要です。
もちろん店頭ではメンテナンスや修理も受付していますので、自身の無い方はご相談ください!
横浜店では修理はご予約制となっています。詳しくはコチラ