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【元競輪選手古川の競輪解説】競輪とKEIRIN 違いは?

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仙台泉】 23年03月05日

いつもワイズロード仙台泉店をご利用いただきありがとうございます。
日本が生んだ世界のスポーツKEIRIN。では競輪とKEIRIN違いはあるのでしょうか?今回はそんな解説をしてみたいと思います。

競輪

Keirin / File:Keirin four.jpg - Wikimedia Commons

まず競輪とは?ですが、戦後各自治体が戦後復興、地域振興及び機械工業振興のために行われている国が認めた公営ギャンブルです。競輪のロゴがついている車を普段見かけることがあるかと思います。それらは競輪の売り上げの一部からみなさんの生活に役立てるよう使われております。

競輪は全国各地にある競輪場で行われバンク酋長は333,400,500と各場異なります。基本400バンクが多いですが傾斜や直線の長さが違っており各バンク色々な特徴があります。

使用自転車

使用するすべての機材においてNJSが認めたフレーム、パーツを使用。前回自分の自転車紹介したようなクロモリフレームを使用します。ガールズケイリンにおいてはNJSが認めたカーボンフレームを使用。以前はフロント3スポークのバトンにリアはディスクホイールを使用していましたが現在は競輪同様に前後スポーク車輪を使用しています。ギヤ比制限があり4回転未満の倍数制限があります。
(前回ブログ https://ysroad.co.jp/sendaiizumi/2023/02/19/9438 )

 

競技の流れ

1レースで走る選手数は5~9人。今はGⅢ以上のグレードレースは9車開催で普通開催は7車立てが基本となります。選手は1625mまたは2025m。400バンクでは4周または5周で競走を行います。発走機に自転車をセットし号砲と同時にレーススタート、ではありますが先頭誘導員というものがおり、400バンクですと残り2周のホームストレッチライン(ゴール線)までに誘導を追い抜くと失格となるのでフライングというものがありません。
それでは残り2周まで選手はなにをしているのか?誘導員を風よけとして各選手自分たちが考えた作戦のための位置取りを行います。位置取り、並び順が決まったら誘導員を追走しペースを徐々に上げていきます。残り2周、誘導員が退避してからが本番。そこから選手同士の駆け引きが始まり、先頭でゴールした選手が勝ち。といったのがおおよその流れです。

ライン戦


しかし競輪はライン戦といって、各選手(主に地域)でラインを作りラインで戦うのが基本です。選手個人にラインでの役割があり、3人ラインなら
先頭選手 主に自力選手として先行、捲り、位置取りをする(他のラインの番手を捌く)
番手選手 主に追い込み選手として自力選手が先行した際、他のラインの捲りをブロックする
3番手選手 主に追い込み選手として内側から他の選手が入ってこないよう内をしめて追走する。
といった役割があります。ですので一体どこのラインが先行するのか?他のラインはそれを捲れるのか?その際追い込み勢はどうするのか?といったことを予想するので他の公営ギャンブルとはまた違った楽しみがあります。

自転車は風が一番の敵と言われるほどですので自力選手が一番体力を消耗します。では追い込みの方が楽なのではないか?と思うでしょうが、他の選手を体でブロックする、なかなか危険なことをやります。もちろんやりすぎると落車、失格になりますので数字の着ではなく失格で帰郷、レース賞金なしといったリスクが自力選手に比べると大きいです。ですので信頼関係あるラインでお互い助け合いながら1着を目指すのが競輪の戦い方です。

KEIRIN

Keirin in the Olympics|KEIRIN.JP – A Guide to KEIRIN

KEIRINは競輪をもとに考えられた自転車競技の一つです。今ではオリンピックの自転車競技、トラック種目の1つにもなっています。トラック競技として日本国内では各地の競技場または競輪場で自転車競技大会の1種目としておこなわれる。国際大会ですと250mトラックで行われるのが主です。日本国内では250トラックが競輪選手養成所(旧日本競輪学校)、伊豆ベロドローム、千葉にあるTIPSTAR DOME CHIBAの3場しかありません

使用自転車

競技ですので国際基準UCIが認めているものを使用します。ですのでUCI認定であれば素材は問わないですが、競技ですからより速く走るためにフレームはカーボン、ホイールはフロントバトンにリアディスクホイールが基本になっています。ギヤ比制限はないので踏みこなせるならどんな倍数でもかまいません。

競技の流れ

1レース4~8人で行われますが基本的には5車、6車が基本だと思います。号砲でレースは始まりますが、初手の並びは事前にくじ引きで決まっており内側の選手から順に誘導員を追走します。先頭誘導員は電動バイク等を使い、250トラック8周で行われます。誘導ペースが競輪に比べかなり早く、残り4周で誘導は完全退避し(退避時ペース時速50km以上)そこから駆け引きが始まります。そしてゴール線勝負となります。

個人戦

ここが一番の違いですがKEIRINは個人戦です。すべて自分の脚力、作戦で勝敗が決まります。競技規則も競輪より厳しく、小回りトラックのため内には踏めず、外々を踏める脚力が必要です。競輪とは違い、体の接触はNG。他の選手の走路妨害をしてはいけません。内側が空いてればいいですがしまった場合外には踏めず詰まってしまうので外を踏むしかありません。競輪と比べて本当の力勝負になります。トップスピードが高く長い距離を踏める選手が理想です。

KEIRINは競輪をもとに自転車競技として競技規則を明確にしたものです。競輪の判定は走注、重注、失格とありますが、審判判定が各場審判によって異なるのが実情です。KEIRINは失格または降格と厳しい判定基準となります。

まとめ

ざっくりと書いてしまいましたが、共通することはありますが、それぞれ似て非なるものと思った方がいいと思います。競輪はあくまでも公営ギャンブルのひとつ。KEIRINは自転車競技種目の1つです。自分の元職業だからといって推奨はしませんが、競輪本場に行ってバンクを60km以上で走行する車輪の音や選手を見るのも面白いと思います。KEIRINはTIPSTAR DOMEで毎週開催されているPIST6で見る事も出来ます。使用機材で音もスピードも全然違いますので、機会がある方はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか?元選手、競技者としてもそれをきっかけに競技人口が増えてくれればうれしいです。

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