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店長に言われてこれまで半信半疑だった「アレ」を試してみた結果

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お茶の水店】 23年03月13日

こんにちは、お茶の水店の木村です。

本日店舗でいつも通り仕事をしていたところ、店長の桂川に乗ってみな~と言われたので、「アレ」に試乗してきました。

その「アレ」とは・・・

ロードバイクホイール用ベアリング | 鬼ベアリング | 株式会社ジェイテクト

こちら。最近話題になっている鬼ベアリングというヤツに乗ってきました。正直ベアリングについてはあまり知識が無く、「セラミックだと良く回るんだよね!」くらいのイメージでした。

なので、恥ずかしながらこちらの製品についても詳しくなかったのですが、店長に「乗ったらわかる。」と言われたので、考えるよりもまず先に試乗してみました。

当店試乗車、「鬼」載せてます

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CEEPO VIPERにZIPP 404FIRECRESTをアッセンブルした当店試乗車。ただでさえ戦闘力が超高い組み合わせに「鬼ベアリング」をインストールし更なる戦闘力向上が図られております。今回はコチラの車体にて体験して参りました。

価格

ホイール1セット分、工賃込みで¥120,000(税込)となります。

仕様

リリース当初はMAVICのみ対応でしたが、現在はZIPP一部モデルにも対応しております。今後は各社ホイールを始めBBなど幅広く展開していく予定との事でした。

「鬼」の実力はいかほどに

前提知識ほぼ無しの状態で乗ってきました。素の404FIRECRESTには以前乗ったことがありますので、鬼を乗せるとどうなるかが分かるはず・・・

まず感じたのは圧倒的漕ぎだしの軽さです。プラシーボのレベルではありません。404FIRECRESTの迫力ある58mmハイトを一切感じさせず、普段乗っている50mmクラスと同等もしくはそれより軽いのではないかという位軽かったです。これはかなり衝撃を受けました。漕ぎだしてから、足を止めてみると明らかに減速感が少なく感じます。平坦で減速しないなら下りは当然さらに良いです。下っている中の勾配が緩くなる区間でも速度が落ちず、するすると進んでいきます。また、自分は確信する、といったほど感じられなかったのですが、当店スタッフの坂口と店長の桂川が言っていたこととして共通していたのが、ハブの剛性が上がったように感じるということでした。

漕ぎだし、加速、減速といった走行に関わる全ての動作が「滑らか」になっていることが実感でき、ベアリングしか変わっていないのにもかかわらず、走りのランクが1段階以上上がっていたという印象です。完成車付属のいわゆる鉄下駄ホイールから、軽量なホイールに変えたときの感覚に近いでしょうか。ZIPPが誇るハイエンドモデル454NSWに肉薄する性能を持っております。

前提知識がない状態でも、機材に鈍感なことに定評のある木村が滑らかさを実感できましたから、乗って頂ければこの性能はお分かりになるかと思います。

 

こだわりが「鬼凄い!」世界的メーカーJTEKTの性能への執着

試乗を終えて、ひとつ気になったのがどうしてベアリングだけでここまで差が出るんだろうということ。ロードバイクの部品たちの中でもかなり小さいほうであるベアリング。かなり大きなパーツであるホイールを変えれば、走りが良くなるのは当然と言えば当然。しかしその中のベアリングを変えるだけでここまで差が生まれるというのはすごいです。という訳で、いかに「鬼ベアリング」がこだわり抜かれて開発されているかということについて調べてみました。

 

そもそもベアリングって?

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黒いもので蓋をされている中に球が入っています。その球が外側の銀の部分(外輪)と内側の銀の部分(内輪)の隙間をころころと転がることで回転運動を生み出します。自転車においては、ホイールを始めとして、ペダル、BB、ヘッド部分などあらゆる稼働部分に用いられております。最近よく聞くのは、カスタムとしてセラミックのベアリングを入れるというもの。セラミックスピード社のものがとくに有名で、同社BBは当店でも多くのお客様に支持をいただいております。

 

JTEKTについて

「鬼ベアリング」を開発したJTEKT様は、世界で5本の指に入る超大手ベアリングメーカー。自転車のみならず産業分野など幅広く用いられており、信頼性と性能の高さがうかがえます。2021年に東京で行われたあのスポーツの祭典において、女子オムニアムで金メダルを獲得したジェニファー・バレンテ選手が、日本のARAYAホイールを使っていたことは話題を呼びましたが、そのホイールに使われていたベアリングはJTEKTのものでした。(鬼ベアリングではありません)

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究極のスピードを求めるあなたへ

「鬼ベアリング」の公式HPをみると上記の文言があります。この製品はまさに究極のスピードを求めて、世界に類を見ない程こだわり抜かれて開発されています。

圧倒的回転の軽さ

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MAVIC社の純正、某有名メーカーA社、A社の上位モデルCATED仕様と比べて、圧倒的に回転が軽い!他社製品の回転が止まっても悠々と回り続けることがグラフからわかります。

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また、回転に必要なトルクも、他社より軽くなっております。こちらのグラフは左から、純正・A社・A社COATED・鬼ベアリングとなっております。某有名メーカーA社と比べても回転が滑らかであることが分かりますね。COATEDというだけでお分かりになる方も多いでしょうが・・・笑

ではこれを可能にするのは一体何なのでしょうか。

 

性能へのこだわり

1.設計

こだわりポイント1つ目は素材。ベアリングの球にセラミックを採用し、内輪外輪にステンレスを使用することで低負荷かつ錆に強い耐久性を獲得しております。また、通常よりも大きい球を使用することで球数を減らし、抵抗の削減を図っています。

2.潤滑

ベアリングの天敵は水分塩分。これらが付着することで錆が発生し、回転が渋くなっていきます。その対策として、ベアリング内部のボールとボールの間にグリスを封入します。そうすることで、錆の原因となる物質を防ぐ役割をしてくれます。しかし、この封入されたグリスが回転の抵抗となってしまうのです。錆びて回転が渋くなるのを防ぐためにグリスを入れるとそれでも回転が渋くなってしまう、まさにジレンマですね。

「鬼ベアリング」では、これを解決するために、内輪にベアリングを封入する手法を取りました。内輪は「凹」のような形をしています。真ん中のへこみの部分をボールが通るのですが、この部分に溝を作りそこにグリスを封入しています。ここに封入されたグリスは、球の回転の風圧に伴って少しづつ染み出してきて潤滑に必要最低限な量のみが内部に侵入する仕組みになっています。JTEKTの特許技術と高い技術力の賜物であり、他社には真似できません。

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写真は一般的なグリス封入の例。左がグリス封入前で右がグリス封入後。グリスが切れてしまうことが一番怖いためたっぷりと入れますがこれが回転を妨げる元となってしまいます。

3.耐久性

ベアリングの球はむき出しなわけではありません。シールと呼ばれるカバーをかけられ、外に露出しないようになっています。完全に密閉される接触型、少し隙間が空く非接触型の2種類があります。接触型は回転が渋くなってしまいますが防水防塵性に優れているという特徴があります。シマノのBBはこのタイプですね。一方で非接触型は回転が軽くなるものの、汚れや水の侵入に弱いという特徴があります。

最速を目指して開発された「鬼ベアリング」は非接触型を採用しておりますが、特殊な設計により弱点を克服。内輪とシールの間に水の通り道となるラビリンス構造と呼ばれる特殊な形状を採用することで、ベアリング内部の球に水分が付着しないようになっています。内輪はステンレスなので水分が付着してもそうそう錆びません。「鬼ベアリング」が支給されているプロチーム、マトリックス・パワータグの選手が半年間使用したベアリングを回収したところ、ラビリンス構造の溝内部に水分は見られたものの、球やその付近に水分は無く、もちろん内輪外輪共に全く錆は無かったそうです。プロ選手の半年ですから、我々一般のライダーからすると数年分に匹敵する距離や負荷がかかっていてそれなので、かなり耐久性は高いと言えるでしょう。

 

最後に

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さて、ここまで長々と駄文に付き合っていただきありがとうございます。これまでと同じ力で速くなれるという全ローディーの夢のようなベアリング。「こんな長々と書いちゃって、そんな違いなんて分からないんじゃないの」と思われたそこのあなた!そういう方にこそ是非一度乗って頂きたいと感じます。トライアスロンをされる方には特に錆の強さ、巡航性能向上というメリットからおススメではないでしょうか。もちろんロードレースやロングライドをされる方にもおススメです。興味を持っていただけた方、半信半疑の方、どんな方でもとにかく一度乗って頂きたい、そう思える製品のご紹介でした。

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今月中には当店でポップアップイベントを開催する予定です。↑の手で回して体験いただけるマシンも登場予定ですので試乗車と合わせて是非お試しください。(写真は松山店ブログから借用)

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