こんにちは。横浜店の長山です。
ちょっと古い話ですが、昨年2018年8月15日、
国道299号を往ったライドのレポートその2をお届けします。
ロードバイク走り旅の愉しみが少しでも伝われば幸いです。
レポート その1
怪しい雲の湧き加減が気になりつつも、とりあえず前進。
国道299号の十石峠道区間は、崩落により通行止め。
やはり。ここの通行止めの多さは有名です。
前回ライド時は通れましたが、路面がひび割れ傾いている箇所があり、
いずれ崩れそうな感じが濃厚に漂っていました。
この辺の区間は、山深く、狭く、崩れやすいことから
酷い国道「酷道」と言われたりします。
そんな事情に備えて、この筋には「矢弓沢林道」という、定番の迂回路があります。
これが、本筋と比べてなかなか勾配きつく、鈍り者の私はここで一気に千切れます。
蒸し暑い中、傾斜10%くらいか?隙の無い坂が延々続き、ひたすら忍耐の登坂。
こんなことなら、志賀坂峠でアウター縛りなんぞやらなければ良かった~。
私は坂好きではありますが、好みなのは
先に書いた志賀坂峠前半の様な、緩くダラダラした感じの登り。
急なのは、嫌いじゃありませんがそれほど得意ではありません。
機材が、やや重いクロモリロードバイク &
カメラ機材を無駄に3kgくらい積んでいたので、
なおさら、急勾配になるほど不利になります。
そんなしんどい登坂中でも分かるくらいに、広がる森がみずみずしい。
荘厳な空気感を気分転換の頼りに、じりじり進んでいきます。
森林浴と蒸し暑い急登坂の、アメとムチ!
爽やかに、ガンガン消耗。
なので、撮影と称した小休止を積極的に撮って、
いや取っていきます。
標高が上がり、視界が開けるところが出始めました。
見えるのは、山、山、山。
視界に入る人工物は送電線のみ。
いま目指す十石峠から向こうは信州。
この辺りは上信国境、関東地方の末端です。
関東から離れていくほど、山の眺望の中に
人工物が見えなくなっていく気がします。
「林道延長7283m」「起点から4.5km」の表記。
ゆるやか登坂の国道299号筋へ戻るまで、あと3km弱の計算。
私の場合、こういう時は、端数分を補って3kmある、
と捉えてしまった方が、幾分か気が楽です。
距離を忠実に捉えると、その道のりの終盤、
まだか、まだか、と、もどかしくなるからです。
この山域は、独特な岩山が目立ちます。
見覚えある山の表情、と思って地図を南に辿ると、思った通り、
甲州、瑞牆山(みずがきやま)や昇仙峡に行きつきました。
その辺りでも、似たような独特の岩峰に出会います。
専門的なことは分かりませんが、地質学的に繋がりがありそうな気がします。
景色が開けると、「あの辺はどこだろう?」「なに山だろう?」と、
心だけはその先まで飛んでいきます。
それら気分転換のおかげで、しんどい登坂も、随分と救われます。
おそらく先ほど出会った送電線の上部。
碑に「黒部幹線」と書かれていて、まさかあの富山の黒部?
と思って後に調べてみたら、やはり富山から引かれた送電線で、
十石峠を通って東京へ通じているそうです。
こうして見ると、電気もはるばる旅をしているように思えてきます。
普段使っている電気、ここを通った電気にもお世話になっているかも?
そう考え始めると、今度は富山へと心が飛んでいきます。
さて、現実に戻って前進、前進。
人の営みによって刻まれた味気ない法面が、苔色に染まっていました。
自然の営みが、傷口を塞いでいる、ように見えなくもありません。
そこで足元に目を向けると、自然の営みによって傷んだ傷口を、人が塞いだ痕跡。
この対比、何か深いものがそこに潜んでいそう、
と脳裏をよぎりますが、蒸し暑い急登坂で消耗した身では
「ま、いっか」と写真に記録するので精一杯でした。
勾配が緩くなってきました。
カーブの、あの先は・・・
待望の、本筋の国道299号との合流地点。
ざっくりな地図看板ですが、本筋と比べ、迂回の矢弓沢林道は
短距離で登っている(その分勾配が急)のが見て取れます。
ここで、先行して待機してくれていた二人と合流。
そこで
「ずっと12~13%でしたね!きつかった~」
と告げられ、そりゃ、きついわけだ!と合点がいきました。
私は今回、計測機器を何も装備していなかったので、
走っている間、距離も傾斜も何も、不明だったのでした。
(スマホでcateyeアプリを立ち上げ走行記録は取っていました)
矢弓沢林道は、十数年前に一度走ったことありましたが、
逆ルートで下りだったので、ギューンと下る道だったなあ、
という記憶がうっすら残っていたのみ。
今回の登坂では、忘れがたい印象が残りました。
道を心に深く刻むには、登りの方が効くようです。
とは言え、脚質的には、距離が延びようとも本筋で来たかった・・・。
緩やかになった道のりで、十石峠までもう一息!
標高1300m前後、高原な雰囲気が出て来ました。
それにしても、国道に戻ったというのに、
先ほどまでの林道と何も変わらない道の表情。
国道だからと思ってドライブルートに選んで来てみたら、
なんじゃこりゃ!
という話が少なくないと聞きます。
開けた、頂上が近い。
十石峠の目印、展望台が見えた!
14時50分頃、群馬・長野県境、十石峠に到着。
地図によると標高1351m。
秩父からの距離は約70kmでした。
その3へつづく
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