2022年に、多くのメーカーから発売された「超軽量チューブ」。従来の軽量チューブと比べて約60%もの軽量化を果たすものもあり、まさに「常軌を逸した」軽量化の実現がなされています。(補足:ホイールの軽量化の意義についてはあわせてこちらのコラムもご覧ください。)
TPUとは??
正式名称は「ポリウレタン系熱可塑性エラストマー」。正式名称だけ見てもわかり辛いのでこの素材の特徴を見てみましょう。素材はプラスチックが由来となっています。プラスチックというとペットボトルなどが思い浮かび、伸縮性のあるチューブと縁遠そうに思われますがTPUは伸縮性を持つプラスチックという属性を持つため、これまではその軽さからスポーツウェアなどに使われてきました。
さて、そんなプラスチックが使われ始めたのはやはりその圧倒的軽さがポイントになります。次はTPUのもつ強みをご紹介します。
圧倒的軽さはパンク耐性を犠牲にしない
最大の特長はなんといってもその軽さ。特にヒルクライムではその軽さが如実に表れます。しかしそんなに軽くては他の性能が犠牲になるのではないか??そう思われるかも知れません。
ところが転がり抵抗性能もラテックスチューブやチューブレスに劣らず、伸縮性を持つため耐パンク性能も高いです。
また、ラテックスチューブは空気の保持力に若干の難がありますが、TPUチューブは1週間放置しても6気圧のチューブが4.5気圧になる程度と、保持力もお墨付き。
性能を見ても極めて高水準のチューブであるといえます。
一方でTPU自体は以下の問題点があり、これまで導入されることがありませんでした
耐熱性をクリアするための研究成果がAEROTHAN
TPU自体は熱に弱いため、リムブレーキの高熱に耐えられないという欠点がありました。
しかしながらSCHWALBEより発売されたAEROTHANは世界最大級の化学企業であるBASF(名前自体は浸透していませんが、生活に驚くほど密着しています。)と協力する事でリムブレーキであってもリムの熱に負けてしまわない程の耐熱性を獲得しています。
チューブの装着手順が若干特殊なものの、TPUは軽量化のパイオニアとなる素材と言えるでしょう。
今回は超軽量チューブのTPUを紹介致しました。堅苦しい内容になってしまいましたが
圧倒的に良い性能をもつTPUチューブを徹底解説致しました。お値段はですが、その分の価値は必ずございます。
まもなく榛名湖ヒルクライムや富士ヒルクライムがある中で、この選択肢はお客様のタイムを向上させること請け合いのパーツになるでしょう。
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