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【コラム】レーシングタイヤって結局どれがいいの??8ブランドの強みをまとめてみました!

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川崎店】 23年05月17日

各ブランドが技術の粋を集めて作ったレーシングタイヤ。プロの中でもシェアは分かれており、中々正解が難しいように思えます。
そこで今回は「性能面とコンセプト」と「数値上のデータ(参照元)」と「フィーリング」の二つにフォーカスして議論していきます。
次のタイヤを選ぶ際の参考になれば幸いです。

今回ご紹介するブランドはコチラ。
Panaracer,IRC,MICHLEN,GOODYEAR,Vittoria,PIRELLI,SCHWELBE,CONTINENTALの8ブランドです。フィーリングは主観的な部分が強く出ていますが、決め手とするならコレ!となる要素をお伝えできれば幸いです。

その1 :Panaracer AGILEST

 PANARACER ( パナレーサー ) クリンチャー AGILEST ( アジリスト ) ブラック/スキン 700X25C ( 622 )

特長 コスパの高さとピン刺し性能

クリンチャーモデルには耐久性の高いモデルやヒルクライム用の軽量モデルなど、用途がはっきりしている場合に特に役立つタイヤです。他のフラッグシップモデルのタイヤと比べても一回りお安くお求めできるため、幅広く人気を博しています。
チューブレスの場合ですとクリンチャーの持つ特性を足し上げた性能で、オールラウンダーと言える性能を持ちます。

実際に乗ってみて:カーブも安心して攻められる+低出力時の楽さ

タイヤ面が他のブランドと比べ(見かけが)シンプルなため、カーブに不安がありましたが、グリップ力もしっかりしており、雨明けの乗鞍岳の下りでも安心して身体を預けられました。個人的に気に入っているのは低速時の引っ掛かりの少なさで、120~140Wの低出力でも地面の引っ掛かりをあまり感じず安定して高い速度で巡行できるところがイチオシのポイントです。(於 長野市~新潟市ロングライド)

こちらのタイヤ(TLR)は試乗ホイールにも付いていますので是非お試しくださいませ。

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その2: IRC FORMULA PRO /ASPITE PRO

IRC ( アイアールシー ) クリンチャータイヤ ASPITE PRO RBCC ( アスピーテ プロ アールビーシーシー )  ブラック 700X25C

特長:汎用性の高さと高いグリップ力

近年のレーシングホイールでは軽量化のためフックレスが主流となってきましたが、一方でそうしたホイールはクリンチャーの排斥に繋がり、インストールの煩雑化を招きました。その点クリンチャーモデルであるASPITE PROはフックレスのホイールにも取り付けることが出来る数少ないブランドとなっています。そのような汎用性の高さを持ちつつ、非常に高いグリップ力を誇りカーブ時の安心感は極めて高いです。

IRC ( アイアールシー ) クリンチャータイヤ ASPITE PRO RBCC ( アスピーテ プロ アールビーシーシー )  ブラック 700X25C

実際に乗ってみて:初めてのレースに使うならこれ

先述の通りグリップ力が高い為、雨天時のカーブであっても全く困りません。(於 豪雨の彩湖)カーブが苦手、心配なお客様に是非お勧めしたいタイヤです。乗り心地については他のブランドと比べると硬すぎず、柔らかすぎず、といったところで初めての方から上級者の方までご満足いただけるタイヤであると言えます。

こちらのタイヤも試乗ホイールに付属していますので是非お試しください。

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その3:MICHELIN POWER CUP

MICHELIN ( ミシュラン ) チューブレス POWER CUP TS TLR ( パワー カップ チューブレスレディ ) クラシック 700x25C ( 25-622 )

特長:進みの良さと安定性を兼ね備えるタイヤ

昨年完全リニューアルにより登場したPOWER CUP。TPIなど数値上のスペックで語るのであればPIRELLIのタイヤが対抗馬となりますが、こちらはクリンチャーでも低圧推奨となっており、非常に柔らかな乗り心地のタイヤとなっています。一方でPIRELLIの方が軽量なため、TTやトライアスロン等であればMICHELINに、クライミングではPIRELLIに軍配が上がるでしょう。

実際に乗ってみて:柔らかな乗り心地と安定した速さ

クリンチャーでも低圧乗りを推奨しているだけあり、非常に乗り心地は柔らかいです。一方でPIRELLIよりも重いこともあり進みが悪いのではないかと心配でしたが、杞憂でありしっかり巡行できるタイヤでした。しかしながら登りや雨天時のグリップなどで議論するとPIRELLIに軍配が上がる印象を受けました。価格自体はこちらの方がお手軽なため、平地コース主体なレースに使いたい一本です。

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その4: GOODYEAR EAGLE F1

GOODYEAR ( グッドイヤー ) クリンチャー Eagle F1 R Tube Type ( イーグル F1 R チューブタイプ ) タン(ブラウン) 700x25 (25-622)

特長:P ZEROとGP5000の中間体

4大タイヤブランドの一つのGOODYEARが自転車業界に参入。数値上のスペックでは150TPIと、ピレリとコンチネンタルの中間の転がり抵抗の少なさを持っています。コンパウンドもむやみに硬いわけではなく、しなやかな走り心地を実現するタイヤとなっています。非常に高い性能を持ちながらも新芽ということもあるのでまだユーザーが少ない印象を受けます。人と被ることが少ないので独自性を持たせるという点でもグッドです。

実際に乗ってみて:フラッグシップモデルの新たな選択肢

ここまでで多くのタイヤを取り上げましたが、このタイヤも新たな選択肢になる。というのが率直な感想でした。先述の通りピレリとコンチネンタルの中間という新たなポイントをうまくついたタイヤとなっています。両方使って何か違うな、という印象を受けた方に新たに提示したい「通」なお客様にオススメです。

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閑話:チューブレスの進化

ここまでずっとタイヤの話をしてきましたので少しだけ小話を。
近年多くのブランドがチューブレスを発表しています。黎明期である2020年前後ではタイヤとホイールの相性などもあり、インストールの大変さも相まって中々普及が難しいものである、というイメージが多かったかと思います。しかしながら近年では嵌め易くも空気保持をしっかり保つことのできるタイヤが増えてきました。硬いイメージのあるGP5000STRも簡単にタイヤがはまるようになりましたし、ビードもフロアポンプで(結構頑張りますが(笑)上げられるようになりました。確かにシーラントが床にこぼれないような配慮や交換などはクリンチャーより大変ですが、タイヤの噛みこみなどを気にしなくて良いなどメリットもあり、一考する価値が十二分にあると言えるタイヤになってきていると言えるでしょう。

その5:Vittoria CORSA PRO/CONTROL

VITTORIA ( ビットリア ) チューブレスタイヤ CORSA PRO TLR ( コルサ プロ チューブレスレディ ) ブラック/パラ 700x28c ( 622 )

特長:柔らかでありながら速く、そして強い

驚異のTPI320の非常に細かな繊維で構成されたVittoriaは転がり抵抗の少なさに定評があり、完全リニューアルで5月上旬に入荷いたしましたCORSA PROは構成も大きく改変され、まさにこれぞレーシングタイヤ!と言わしめる性能を誇ります。一方でこのTPI帯で対抗勢力になるのがContinetalのGP5000。GP5000は330TPIとわずかに細かい繊維で、数値上では違いが少しわかりにくい印象を受けます。ここで注目するのは先述したコンパウンドの硬さ。GP5000の方が硬いコンパウンドのため、地面に対してのフィーリングをより感じたいならGP5000。しなやかに乗るのであればCORSA PROとなりそうです。

VITTORIA ( ビットリア ) チューブレスタイヤ CORSA PRO TLR ( コルサ プロ チューブレスレディ ) ブラック/パラ 700x28c ( 622 )

実際に乗ってみて:スタミナに不安があるお客様に

グランツールを見ると実に多くのチームが採用し、勝利を収めてきました。コントロール性も含めやはりお値段がするだけその品質は折り紙付きで、これはプロも愛用するわけだ、と納得させられるタイヤでした。高いTPIを持ちつつも柔らかな乗り心地であるため、非常にエネルギーロスが少ないです。結果としてスタミナ維持が容易となるため、長距離戦やスタミナに不安がある方にオススメです。

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その6:PIRELLI P ZERO

PIRELLI ( ピレリ ) クリンチャー P ZERO RACE ( Pゼロレース ) 700X28C

特長:圧倒的なハンドリング・加速性能・カラーバリエーションによるオシャレさの追加

 値段改定によりお求め安くなったPIRELLI。圧倒的に推せるのはグリップ力(ハンドリング性能)がとびぬけています。F1の特許を取得した技術により安心感においては他の追随を許しません。それでありながら加速力もあり、0から40km/hまでの立ち上げがかなり容易にできるところもグッド。メーカー面がカラーバリエーションになっており、無機質なカラーになりがちなホイールに彩を加えてくれます。

実際に乗ってみて:コーナー後、スプリントが苦手な方に

PIRELLI ( ピレリ ) クリンチャー P ZERO RACE ( Pゼロレース ) 700X28C

フィーリングになるので一概には言えませんが、これを使用したレースでは数値上トップスピードに乗るまでの時間が最も短くでたタイヤでした。地面をがっちりとらえる感覚が全タイヤの中で最も強いので、トルクをかければかけるほど呼応してくれる強さを感じます。カーブも一番安心して攻められるのでダウンヒル、登り、スプリントパワーに不安がある方にオススメしたい一本です。

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その7:SCHWALBE PRO ONE

SCHWALBE ( シュワルベ ) チューブレスタイヤ シュワルベ プロワン TLEタイプ ブラック 700X28C

特長:オールラウンダーの超高性能タイヤ

 誤解を恐れずに言うのであれば、明確な強みというものが少し潜性的なものであるかもしれません。しかしながらこのタイヤは「明確に」ほかのタイヤに負けている、という要素がありません。すべての要素において非常に高い水準の性能を誇ります。実は迷ったらこれ!のタイヤは予算が許すのであればこのタイヤではないのかなとひそかに思えるような万能ぶりを見せています。

SCHWALBE ( シュワルベ ) チューブレスタイヤ シュワルベ プロワン TLEタイプ ブラック 700X28C

実際に乗ってみて:予算以外で困ったら推したい逸品

同価格帯のフラッグシップモデルと比べると少しだけ高く、今回のラインナップのなかでは最も高価なものですが、その分だけ弱点がない、と言えるタイヤといえます。唯一フィーリングに影響する硬さも全体の中では中間に属する硬さで、いい意味で言う事が無いタイヤとなっています。自分の強みや弱みはまだ開拓中だが、タイヤのせいにしたくない、というお客様にオススメです。

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その8:CONTINENTAL GP5000

CONTINENTAL ( コンチネンタル ) クリンチャー Grand Prix 5000 CL ( グランプリ 5000 クリンチャー ) Black 700x25C ( 25-622 )

特長:圧倒的直線性能と転がり抵抗の少なさ

 今回のタイヤの中では330TPIという極細の繊維からなされるこのタイヤは圧倒的な抵抗の少なさを誇り、巡航速度を全く落とさないことが多くのお客様より絶大な支持をいただいております。特にその性能を感じることが出来るのは信号の少ない直線道路であり、スピードというもっともわかりやすい観点でお客様に衝撃を与えるタイヤとなっています。先述の通りVittoria CORSA PROが対抗馬となりますが、タイヤの硬さでのフィーリングで決めるべきでしょう。

CONTINENTAL ( コンチネンタル ) クリンチャー Grand Prix 5000 CL ( グランプリ 5000 クリンチャー ) Black 700x25C ( 25-622 )

実際に乗ってみて:単走が苦手な方にオススメ

単走や逃げ切り、タイムトライアルなどの一人で頑張らなければならない局面に陥った時にこのタイヤは絶対的な安心感をもたらすでしょう。少ないパワーでも全く上げた速度が低下しなかったことからも非常に独力でなんとかする、というところで強みを発揮できるタイヤです。硬さが今回紹介したタイヤではかなりあるコンパウンドですので、凸凹のある不整地などでは慣れない方だと少しフィーリングが厳しいかもしれません。

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まとめ

今回はあまり取り上げられることの少ないフラッグシップタイヤの位置づけ、についてまとめてみました。文章量は4000文字を超え、かなりヘビーなものになりましたが、少しでも選ぶ際の一助になれば幸いです。

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