3月某日とある場所にて一足早くBIANCHI新型OLTREシリーズの試乗をさせていただいた石川です。先日フレームが一足先に到着したので改めて振り返りながら紹介していきます。
新型OLTREシリーズ
ひとまず新型OLTREシリーズのラインナップをご説明します。
RC
レパルトコルサグレード。最上級のハイパーバイクとして新生ビアンキの顔となるシリーズ最高のバイクです。とにかく硬くて速い最速のロードバイクを目指して誕生しました。
PRO
基本設計はRCと共通で先代のOLTREにも採用されるカウンターヴェイル素材を採用したロードレーススペックの一台。ハイモジュラスカーボンも採用する高剛性モデル。
COMP
こちらもRCをベースにしながら、様々な規格を変更しコストパフォーマンスを重視した一台に。扱いやすさもあるのでホイール次第で大幅に化けるダークホース的な存在。
今回アサゾーに入荷したのがPROグレードです
シリーズの中核を担う「PRO」。専用のハンドルが必要な点はRCと共通でレース機材としてテイストされているものの、シリーズで唯一カウンターヴェイルを採用したモデルとなります。
カウンターヴェイルは剛性を高めつつ振動吸収性を上げる魔法のような素材で先代XR4の人気にも一役買う事に。しかし、今回RCグレードではこの素材の採用は見送られることに。
様々な理由はあると思いますが、それでもPROには採用。
RCはあくまでも最速を目指すプロ選手のための機材。
PROはホビーレーサーを含めて幅広く使われると想定されているグレード。
この辺の違いはある事でしょう。
PROインプレ
では、実際に乗ってきたPROグレードのインプレをしてきます。
まず特筆するのが専用ハンドルシステム。ステム一体型の独特な形状のハンドルはライダーにあたる風を制御するために設計されたものとなります。
単品では速いハンドルであっても、その風は再び乗車している人に当たって抵抗として行く手を阻む事でしょう。
そういった、人に当たる風を計算して整流効果を高めたのがこの専用のハンドルシステムです。
ハンドルはRCと共通の為ハイエンドハンドルを買う必要があるのでコストはかかるのですが、このハンドルを使う事でRCと同等のエアロダイナミクスを実現します。 COMPとの互換性は無いようです。
エアディフレクターと呼ばれる専用のエアロカバーもRC共通です。
ペダリングする足に当たる風を制御する空洞のあるカバーですが、UCIのプロレースでは使えないものの、一般サイクリストには関係は無いので是非このカバーを付けて最高のエアロダイナミクスを体感してください。
カウンターヴェイル素材の是非
まずは、今回のOLTREシリーズは全体的に剛性が高い(踏み込みが硬い感じ)ように感じました。RCはカウンターヴェイルが無い事でよりダイレクト感の強い硬いカーボンの反発感を感じる事が出来ましたが、逆にPROグレードはカウンターヴェイル独特の踏ん張り感の様な感触があり、剛性が高いのは高いのですが、どこか足への負担を減らしてくれるような安心感があります。
カウンターヴェイルという素材がある種支配的でRCと乗り比べると同じ形のフレームだとは思えないような違いがありました。
RCは素材を切り詰めて余分な感覚をそぎ落とした刀の様なレーシングバイク。
PROに関しては速さはそのままに、ビアンキのテクノロジーを盛りに盛ったより現代的な感じ。
価格ではRCが随分高いものの、内容だけ見るとPROは別のカテゴリーでのトップモデルと言えるでしょう。
剛性の高さをカウンターヴェイルが入ることで踏み心地を中和してくれる感じで、路面とのコンタクトも少しマイルドになる事で扱いやすさを演出してくれます。
とは言えPROであっても「ロングライドに最適」とは言えないぐらいのレーシーな味付けがされているので、トレーニングを普段からされているような方や、すでにフラッグシップのフレームを乗り回している方にはドンピシャのバイクになると思います。
完成車にアッセンブルされる50mmハイトのホイールが硬いというのもあるのでローハイトホイールに換えて剛性バランスを取るのも手ですが、完全にエアロなデザインのフレームなので最低でも45mmハイトのホイールを入れたいのは正直なところですよね。
このOLTREというバイクが市場に出回ることによりイメージチェンジを果たし、近年のレース実績にも関わらずカジュアルなイメージが強いBIANCHIも純粋なレースバイクブランドとしての立ち位置を獲得していく事になるでしょう。そのぐらい期待値は高いバイクだと思いました。
最後に
専用のハンドルに関しては現在入荷待ちですが、先にフレームだけでもご相談頂ければと思います。ご希望のサイズ等あると思うので改めてご注文いただければと思います。