スチールフレームからの脱却を図り、各社が新素材に試行錯誤していた20世紀末。
多くのブランドがアルミをフラッグシップに持ってくる中
わき目も振らずカーボンフレームの開発にいそしんだブランドで、
かつレースで結果を出し続けたのがコルナゴです。
スチールの後にカーボンを選んだ先見性と、長らくインテグラルヘッドや、
ヘッドのオーバーサイズ化、圧入BB等には慎重な姿勢。
レースに勝つための先進性と信頼性を重視した保守性が同居するブランド、それが私の中のコルナゴです。
すべては勝利のために!
んで、昨年の社内試乗会でC60に乗ったスタッフの「速いけど硬い!」という言葉がずっと頭に残ってまして。
そりゃプロ用なので硬いよね、しかもコルナゴのジオメトリ、レースモデルは全部一緒だし。
というわけで以下は貧脚の貧脚による貧脚のためのインプレ。
高校まで一切運動せず、冬の持久走大会では原付に乗った体育教師に竹刀でつつかれながら
最後尾をわき腹を押さえながらヨタヨタ走っていた井手の主観にまみれたインプレです。
真剣にトレーニングに打ち込んでいる方や、体力に自身のある方は
こんなインプレ読んでも時間の無駄なので、そっとブラウザを閉じることをお勧めします。
運動不足でメタボ気味なおっさんや、体力に自信のない方はもしかしたら何かの参考になるかも…
そんなコルナゴの2017年NEWモデル コルナゴがやっと出した期待のエアロロード CONCEPTがNBSの営業さんとともにワイズロード福岡天神店へご来店。
この新型、マジで乗っていいの?とビビリつつ、早速試乗。
の前に、サドル高を出すのですが…下がらねえorz
サイズは480Sでぴったりのハズなのですが、この手のエアロピラーでカットせずに乗れたためしがありません。
憎い!短足が憎い!!あと5cm
背が低くていいので、胴も一緒にちぢんでくれたなら。
ちなみにBB芯から約660mmくらいのサドル高に
あわせようとして確か15mmほど下げ切れなかったので
何かの参考までに。(3~5mmほどドンヅキのところから余裕をみています)
しょうがないので高いまま乗ることに。
天神周辺はバスとタクシーが多くなかなかの危険度。
伊達にバスの多い県全国一じゃありません。
福岡の路上最強は西鉄バス。
先月事故にあったばかりの井手はかなりビクビクです。
走り始めはなんだかハンドリングがクイック。
サドル高があっていないからなのか、それともこれがコルナゴのハンドリングなのか、
単に慣れていないというのが一番大きな理由のような気もしますが。
ハンドリングの安定感は個人的には、デローザ メラク>スーパーシックス>コンセプト
せせこましい繁華街を抜けて海岸線へ。
平地に入ってさあ出発だ!
…ん?んん?
踏める!踏めるよこのフレーム!!
愛車のCannondale、SuperSix Evo Hi-MODのようなスッカーンとした加速とは違い
どことなくスチールフレームを髣髴とさせるしっとりした加速。
SuperSix Evo Hi-MODだとクランクが下支点に着たときにマシンの加速に足の回転が間に合わず
「スカッ」と抜けてしまい、特にダンシングでは慣れるまでギクシャクしたペダリングになったのですが
COLNAGO CONCEPTの場合、絶妙の剛性バランスで気持ちよく回せます。
「硬くねえ!」
擬音にすると「ギュンギュン」進む感じです。
低速からの加速感はSuperSix Evo Hi-MODのほうがあるのですが、
コンセプトは時速30km以上の加速がすばらしいです。
割と無理なく30後半で巡航できます。そしてなかなかスピードが落ちない。
そしてこのスピード域になるとハンドリングが安定します。
低速のあのクイックさはなんだったのか←サドル高が出てないからじゃね?
やっぱり速く走れって事か。
ただ、やはりコーナーでの切れ込み具合は前述のとおり。
ここまではヨコの硬さで、次はタテの硬さ。
乗り心地いいですこのバイク。
見た目、縦につぶしの入るエアロロードなので、路面からの衝撃に身構えて乗ったのですが
拍子抜けするほどマイルド。
パイプが丸断面に近いはずのSuperSix Evo Hi-MODのほうがやや突き上げに角を感じるくらい
乗り心地いいです。
ハンドリングがクイックじゃなければコンフォートロードといわれても納得する感触でした。
おかげで抜群の路面追従性。
福岡市の東の国道はアスファルトが荒れたところが多いのですが
「スタタン!」と衝撃が収まります。
路面追従性が高く、常に接地しているので巡航スピードが伸びるし落ちないです。
やべぇ、楽しい。
奇しくも台風の前日で結構な風の強さ。
エアロを実感するにはもってこいの天候です。
海岸線に出る前にも強烈な向かい風にさらされましたが
きつさの割りにスピードが落ちてないです。
これがエアロか。
無論横風も受けました。特に橋の上は風がきついです。
強い横風でフロントがもっていかれるのはしょうがないところか。
車体全体を押される感じはなかったのでその辺はうまく抜けてるっぽいです。
一番感動したのは、向かい風でも抵抗が弱まることがあること。
基本ブラケットを握っていたので状態はやや起きぎみ。
上半身は同じように風を受け続けているのですが、下半分のマシンの抵抗が下がるときがあるんですよ。
はじめは「あれ?向かい風弱くなった?」と思ったのですが相変わらず上半身の向かい風を受ける感じは変わりません。
向かい風と一口に言っても真正面から来るものや、やや斜めからくるものもあると思うのですが
それがコンセプトのエアロのスイートスポットに入ったときに
空気抵抗が体感できるレベルで下がってるのではないかと。
まあ台風の来る前日だったので、風が呼吸するように強弱ついていた可能性も否定できませんが。
でもそれならさすがに気づくよなぁ…。
のぼりは車体の軽さを感じる以外は、適度な剛性からくるダンシングのしやすさ。
ある程度しなるフレームなので踏むのが楽しいです。
が、軽量オールラウンド系のスッカーンとした加速はなし。
ある程度の坂は軽さとエアロでついた勢いで上れてしまうので関係ないですが、
上りにフォーカスすると他の選択肢もあるなぁといった感じ。
まったくの新型で事前にインプレ記事なども読まなかったので、先入観なしに乗ることができました。
全体の感想は、「貧脚でも乗って楽しいプロ機材」といったところ。
スイートスポットはやや高めの(私にとっては)35km以上といったところで
平地のスピードの伸びや巡航の快適さは特筆ものです。
思わずにやけながら、予定を大幅に超える時間を走ってしまいました。
この価格帯だとある程度収入のあるおっさん(失礼)が購入する事が多いと思うのですが
「このコルナゴなら乗れる!」
C60と迷われているなら、多くの脚のないサンデーライダーは
コンセプトのほうが乗って幸せになれると思います。
え?脚力なら売るほどある??
それならC60をはじめ、お好きなフレームをどうぞ。