入間店の石澤です。
知ってる人は知っているわたくしの趣味は写真を撮ること。
いや、カメラそのものの方が趣味なんじゃねぇかという意見もありますが。
これ自転車も一緒ですよね。「乗るのが趣味なの?いじる方?それとも集めるのが好きなの?」みたいなの。
で、一応は撮る方も趣味なのですが、それはそれとしてわたくしの中で別の課題がずっと脳裏をチラチラしていたのです。それは、
「秩父、いつ何しに行こう」
ってこと。
ここ入間店は、鉄道を使うならその名の通り入間市駅からのアクセスが便利。
当然スタッフも入間市駅まで定期を買うのですが、ここから西武秩父駅までは、特急で行っても¥940、50分かからずに到着できるのです。
そんなに近い観光地なら、仕事帰りに行っても良いんじゃね?と思っていたのですが、なかなか昨今の状況ではそんな気分にもならず躊躇していたところ。
とか思っていたら、今この時期が見どころの意外なものが秩父で見られる!しかもその日が絶好のタイミング!なんてものを見つけてしまったのです……
おっとり刀で機材をバッグに詰め込み、そのまま出勤。
自宅から入間店までは、K3を輪行しての通勤でございます。過去記事はこちら。って……
フラグ立てとる……
カメラ・交換レンズ・三脚・防寒装備を含む着替えetcで、バッグの重量はなんだかんだと8Kgに。これK3と同じ重さやん!
その日の業務を無事終えて、いつものように駅に向かいます。が、今日乗るのはいつもとは逆方向。
入間市駅で待つこと、ホームに滑り込んできたのは……
特急Laview ちちぶ号 西武秩父行き
これに乗って、終点の西武秩父まで向かいます。
特急列車の輪行テクニックとして、車内最後尾の席を確保し、座席と壁の隙間に自転車を置くというのがあります。
特急ちちぶは飯能で方向転換し、進行方向が逆向きになるので、最前列の席を確保して座席を回転させれば…と思って到着した飯能駅。
誰も席を回さない
しかも
後ろの席には別の乗客
目論見通りに座席を回すと、知らない人とお見合いしたまま秩父まで向かいことになる微妙な状況。
しょうがないので回転は諦め、輪行袋を席の前に抱え込みながら鉄道の旅を進めます。バックで進んでる時間の方が長いんですけど……?
特急ちちぶ所感
・池袋–飯能間の通勤ライナーとしての利用が多いかと思いきや、平日夜も西武秩父まで乗り通す人が意外と多い(秩父から通勤してるのかも…)
・窓が異常にデカい。反対方向の線路が普通に見える下方視界の広さ。
・コンセントが全席にあるのは便利だが、車内販売はない。
・飯能で誰も座席を回さない。時の運次第では40分の間をバックで進むことに。輪行時は特に注意。
(画像は別の日に撮影したものです)
そうこうしている間に、列車は終着駅の西武秩父へ到着。
そこから自走して(なので車内の晩酌は我慢!)数分の場所、この日の宿は
ワンルームマンションをリノベーションしたという、
「コンフォートステイみやび」
でございます。
ホテルに駐輪スペースがなかったり、防犯上不安な場所だったりしても、輪行袋に包んだ状態ならば(←ここ重要)荷物として部屋に入れることができます。
翌朝に備え、予報を確認して収穫を予感しながら、その日は9時半に就寝します。
〜翌朝。
4時半に目を覚まし、カーテンをそっと開けると、すでにそこは昨日までとは別に世界のよう。
防寒着に身を包み、撮影機材を背負ってK3を運び出します。
外に出たわたくしを、秩父の街並みが一面の霞で包みます。前を照らすライトは霧粒に遮られ、普段の1/3も届きません。
8KgのK3で8Kgの機材を背負い、目指すは秩父市街地を一望できる「ミューズパーク展望台」。
途中で足をつきながらも到着すると、すでに先客が三脚を敷設して構えています。
わたくしも三脚を広げて、目の前に広がる光景は……
一面の雲海。
そう、秩父市街地は盆地なので、深夜に発生した雲が留まり、大雲海を形成することがたびたびあるそうなのです。
気象データを基に、地元在住の気象予報士の方が翌日の雲海発生予報を出しているのですが、この日の予報はなんと73%!
大雲海を期待して集まった人々が、思い思いにシャッターを切ります。
わたくしが撮影したのがこちら。大雲海があまりに濃密なため、まるで山頂から下界を眺めているかのように錯覚してしまいますが、荒川を渡る秩父公園橋(通称秩父ハープ橋)がその錯覚を打ち破ります。
PCの現像ソフトの合成機能で作ったパノラマ画像。
展望台から一望できる市街地は全て雲海に覆われています。
左の秩父ハープ橋と、右遠方に見える、山体を削り取られているのが特徴の武甲山が見えなければ、ここが秩父だとは分からないほど。
カメラで、スマホで、肉眼で、それぞれに雲海の記憶を持ち帰り、展望台に集まった人々は去っていくのでした。
行きに登ったら当然帰りに出現するのは下り。
いつもならば嬉々として下るところなのですが、これだけの量の雲海が出ているという事は、路面は当然ウェット。
しかもロードバイクよりグリップ力に不安を抱えるK3で、背中には3ボーラぶんの機材が。
落車したときのダメージは肉体的にも精神的にも甚大なので、ソロソロと慎重に下ります。
丘を下って宿に戻っても時刻は6時半。一度寝なおし、やや遅めの朝食をとって、秩父の街に買い物にも出かけます。
K3で立ち寄った酒屋さんで、日本酒・ワイン・蜂蜜酒を入手。さらにお土産屋さんで入間店スタッフへのお土産を入手します。
駅前のイートインで食べたのが、秩父の郷土料理「豚みそ漬け」を乗せた丼。
猟師が捕獲したイノシシの肉を保存するためにみそ漬けにしたのが興りだそうです。
帰りもLaviewですが、今度は自宅に戻るために所沢まで乗車。
いつもなら帰りの列車で酒をあおるのですが、今日は帰りに自走しなければならないのでこちらも我慢。
代わりと言っては何ですが、秩父のB級グルメ「みそポテト」を社内でほおばります。
列車と自転車を組み合わせ、ひさびさに旅を満喫したわたくし。
みなさまも輪行を活用して、日常の喧騒を離れて旅に出てみませんか?
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