本部の永平です!
色々あってブログから遠ざかっていましたが、半年以上ぶりの投稿です。
昔から自分のブログをご覧頂いている方はご存じかと思いますが、わたくし、ビンボー父さんです。
新車が買えないので、16年落ちのバイクをチマチマいじって未だに乗ってます。
チマチマカスタムの様子
【連載カスタム】14年落ちロードバイクの自己満チューンナップ♪【第1回:パワメ左右計測化】
【イーストンEC70AEROインプレ】初エアロハンドル導入!効果は?【物欲でモチベup!】
そんな訳で未だに初代SRAM RED(10s機械式)を使っていたのですが、たまたまご縁があって「出物コンポ」を購入しました!
FSA K-FORCE WE
コントロールレバー、前後ディレーラー、バッテリーの4点セットが「スタッフモニター価格」で出て来たので、「これだ!」と飛びついた次第。
お客様には申し訳ないのですが、いわゆる「役得」というやつです。自分、こんな機会でも無いと、電動コンポなんて導入できません..。
定価ベースで
コントロールレバー¥33,000
リアディレーラー¥71,500
フロントディレーラー¥52,800
バッテリー¥29,700
しめて合計¥187,000です(税込)。
モニター価格はナイショです。コレに近い金額とだけ言っておきましょう。
ネットを見回しても、メディア系の記事ばかりで個人のインプレがほとんど出てこない孤高の?レアコンポ「K-FORCE WE」。
メーカー様のご厚意でご提供頂いたせっかくの破格値のモニター品。実際に組付けて、走行したインプレをお届けします。
【K-FORCE WEとは?】
シマノ、カンパ、SRAMに次ぐ第3の電動コンポーネント。
SRAMに次ぐ、第2のワイヤレス電動コンポーネント。
電動コンポの利点は今さらクドクド書く必要は無いでしょう。
変速スピードアップ、変速精度向上、シフトタッチが軽くなる、ワイヤー交換が不要、シフトボタンの割り当て変更やサテライトスイッチ追加などのカスタマイズ...とほぼメリットしかありません。
他社の電動コンポーネントとの一番の違いは、次期デュラエースにも採用されるかも?!と噂の
「セミワイヤレス」
であること。
コントロールレバー~フロントディレーラー間を無線で繋ぎ、フロントディレーラー~バッテリー~リアディレーラー間を有線で繋ぐという、無線と有線のハイブリッド仕様。
セミワイヤレスの利点は、大容量バッテリー(充電サイクルが伸びる)と、組付けの簡素化(配線の容易さ)を両立できることです。
K-FORCE WEのバッテリー
シマノDi2はバッテリー容量が大きいけど配線が面倒。
SRAM eTAPは配線いらずだけど頻繁に充電しないといけない。
この2社の「いいとこ取り」をしたのがK-FORCE WEなのです。
(SNSやブログなどで、SRAM eTAPユーザーのバッテリー切れ報告を度々目にしますよね...Di2も稀に...)
K-FORCE WE、バッテリー容量が大きいだけでなく、起動ボタンを押す度にバッテリー残量をLED色で示してくれるので充電を忘れる危険性が低いのもポイント。
わざわざバッテリー残量確認コマンド(Di2ならシフター長押し)をしなくても、毎回ライドの度に強制的に確認させられます。
わざわざジャンクションAのLEDを見る、というアクションも不要で、電源オンしたら目線を動かさずにそのまま確認できます。
流石、最後発だけあり、よく考えられています。
スイッチオン!青点灯なので満充電状態です。
フロントディレーラーの起動ボタンを長押しすると電源オン。電源オン時に光るLED色でバッテリー残量が分かります。
青:77~100%、緑:23~77%、黄:0~23%、赤:0%
肝心の満充電からどのくらいの時間で、どの程度減るかは「とあるトラブル」のせいで乗りこめておらず不明です(最後まで読むと分かります...)。
ちなみにシフター側のバッテリーはおなじみのCR2032を左右に1ケづつ。約2年もつとのこと。シフターからの変速信号はant+にて送信されます。
その他、ブランドヒストリーや詳細スペック等の細かい説明はシクロワイアード様の記事をご参考に。
2017/02/16
FSA K-Force WE スラムに続く第2のワイヤレス電動コンポーネントがリリース
2017/10/11
FSA K-Force WE 同社初セミワイヤレス電動コンポーネントをテスト
【組付け】
このコンポ、電動対応フレーム専用です。
バッテリーは内装式しかありません。
という事実に、わたくし買ってから気が付きました!
当然2005年式の我が愛車が電動対応であるはずも無く、何とか付ける方法を考えないとなりません。
電動対応じゃないと何が困るかと言うと、配線用の穴を自分で開ける必要があります。
バッテリーの内装は、仮に電動対応フレームで無くても、シートピラーが丸断面なら簡単にできるのですが、自分のバイクは往年のISP仕様。
シートピラーがエアロ断面なので、円筒型のバッテリーが入る余地はありません。
という訳で、配線穴加工とバッテリーの取付けが課題となりました。
その結果。
チェーンステーは元々エンド側に穴が開いていたのでそれを利用。
他の配線穴は、ドリルで穴を開けるだけなので、作業は簡単です。慎重かつ、大胆に穴を開けて、配線してグロメットを付けて終了。
しかしこのフレーム、BBシェルが密閉されている「筒」なので、BB付近で配線を一度外に出して、再びフレーム内に入れるというややこしい仕様に。
バッテリーは、ちょうど良い太さのポンプ台座をシートチューブに付けて、そこにパチンと取付け。スモールが豊富なTOPEAKさん、頼りになります。
バッテリーには前後ディレーラーからの配線が繋がるので、シートチューブからはコードが2本...。
決してスマートでは無いですが、このバイクの条件の中で可能な限りスッキリ?させてみました。
※フレームへの穴開け加工はメーカー保証対象外となります(その前にとっくに保証期間切れてるけど)
無事に組付けできたものの、初期セッティングが少し面倒。
このコンポの「設定マナー」を理解すれば難しくは無いのですが、それまでに少し難儀。
最終的にはばっちり変速も決まって、ワイヤー引きには真似のできない、素晴らしい変速スピードと精度を味わうことができました。
既に色んな方がさんざん言ってますが、一度電動を使うとワイヤー引きには戻れませんね...。
【変速性能】
SHIMANO>=FSA>SRAM、って感じでしょうか。
Di2もeTAPも自分のバイクに付けて乗ったことはありませんが、どちらもインプレで何百キロと乗っているので、それぞれの特性は分かります。
SRAMよりも速く、SHIMANOと同等、ひょっとしたらSHIMANOの方が速いかも?くらいなイメージです。
機械的なラチェットではなく、電子的に位置決めされているので、セッティングさえきちんと出せば電動コンポはとにかく正確。
変速動作もモーター駆動なので確実かつ力も不要。ボタンをタッチするだけのラクチン変速。
これは電動コンポ全てに言えるので、FSAだけの特色では無いですが、これらのメリットはしっかりと押さえています。
【使い勝手】
電源オン時にバッテリー残量が確認できるのは先述の通り。
更にわざわざバッテリーを外さないと電源をオフにできない他社とは違い、電源ボタンで簡単に電源オフにできるのも美点です。車載運送中などに不意に力が加わってセーフモードに入る、なんて風にはなりません。
レバーも超小ぶりでは無いものの、十分にコンパクト。個人的には手が大きいので大ぶりなレバーでも問題無いのですが、多くの日本人にとってレバーのコンパクトさは重要ですよね。ちなみにレバーの大きさはスタンダード(自分の)と、コンパクト(6mm短い)が選べます。
外側にオフセットされたブレーキレバーも操作しやすい。
一番大事な変速スイッチの使い勝手ですが、独特なシーソー型スイッチは、シフトアップ・シフトダウン側で段差が設けられ、テクスチャーも変えられており、押し間違いを防ぎます。
ボタンの割り振りは、「上・下」なので役割分担が分かりやすく、押し間違えもほぼありませんでした。が、構造上、下ハンとブラケットで「押しやすいボタン」「指の届きやすいボタン」が異なるのでそこは慣れが必要。
自分、シマノDi2の「手前・奥」の割り振りだと押し間違えることがありましたが(特に冬用グローブだと)、その心配はありません。
使い勝手的にはシマノDi2よりも好きですね(一番好きなのはシンプルなeTAP式です)。
【空力の改善?!】
まあ、体感はできませんが、物理的にはシフトワイヤーがハンドル周りから無くなっているので、間違いなく空力が改善されているはずです。
見てください。このスッキリしたハンドル周り。
現代のワイヤーフル内装には敵いませんが、エアロハンドルも相まってリムブレーキ仕様ではこのコックピット周りはかなり理想的。
何よりカッコいい。
【アプリ】
電動コンポなので、スマホアプリで各種セッティングが可能です。スマホとアプリの接続はBluetoothにて。
左右シフターと前後ディレーラーの割振り、上下ボタンのUP/DOWN割振り、オートパワーオフまでの時間、変速回数カウンター、ボタンを押したままの時に連続で変速する段数およびその速度、電源オン時のステータスLEDの点滅間隔、バッテリー残量、残りシフト回数の推定時間、ファームウェアアップデート...その他諸々、一通りの電動コンポの設定機能は満たしています。
【デメリットは?】
ここまで良いところばかりを書いてきましたが、残念な点もあります。
一番残念なのは、システムの拡張性が無いことです。
デビュー当時、作ると言っていた増設用スイッチやDHバー用スイッチが未だにラインナップにありません。
ガーミン等のサイコンでの段数表示などにも非対応です。サードパーティー製のビッグプーリーを付けたくても、今まで見たことありません...。
あとは重くも無いけど、軽くも無いことでしょうか。
機械式10s REDからの換装で、今回の仕様で192g重くなりました。
今回の仕様で重量差の大きいCS(前回10sデュラ、今回11sアルテ)を同条件にしても107g重くなる計算です。何で今回CSがアルテかって?予算が無いからです!
まあ、197gにしても107gにしもて自転車重量+ライダー体重から見れば、誤差みたいなものですし、電動化で得られるメリットに比べれば十分無視できる範囲です。
あとは外観デザイン...。これは個人の「美意識」によるところなので、単純に優劣を付けられるものではありませんが、垢抜けている感じはあまりしませんよね?
個人的には、そんな野暮ったさも含めて、「他に使っている人をほとんど見ないニッチなレアコンポ」を使っているという、「愉悦」を味わっているので気に入っています。
WW2の軍用機で例えれば、フランスさえもすっ飛ばして、チェコとかフィンランドとかを愛でるのと同じ感情です(分かりにくい)。
自転車も長く乗ってると、ただハイエンドなら満足、という訳にも行かなくなるのです(お前だけだ)。
【まとめ】
ほとんど使っている人のいないレアコンポですが、性能はもちろん、そのレアさも含めて気に入ってます。
肝心の動きはシマノ並みですし、セミワイヤレスなのでハンドル・ステム周りのややこしい配線をしなくても済みますし、バッテリーは大容量ですし、使い勝手も悪くない。
拡張性を求めず、純ロードバイク用コンポとして使う分には不足は感じません。
まあ、そんな自身初の電動コンポ・11sコンポを楽しんでいたある日、突然不幸が訪れました...。
※血とか傷とか苦手な方はスクロールしないでください
バイクも自分もザリザリに...。
鎖骨はポッキリ...。
この顛末については、結構な大河ドラマになったので、気が向いたら別の記事でアップしようかと思います!
おっさんのパワトレ実践編!
速くないからこそ御同輩の参考になる?!
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