※この記事は、越谷店のブログに掲載した内容を元に再構成したものです。
私がいま所有している自転車の中では旧い部類なのですが、これが最近でもいちばん使っている自転車です。
TREK 1996 970 SHX
【スチールフレーム】
この頃のトレックは、OCLVカーボンを本格投入している時期。カーボン・アルミ・スチール各素材に幅広いラインナップを誇りました。そして、高級車じゃなくてもまだHAND MADE IN USAです。
Y字型カーボンフレーム+アルミURTのY33フレームが注目される中、TRUE TEMPER OX III Cr-Moの970は当時でも地味な車種でした。が、その後のカーボンフレームやサスペンションの進化(Y33等の旧式化)から考えると、時代に左右されないスチールフレームを選んだのも悪くなかったように思います。
フレーム単体重量は2,090g(16.5インチ、実測)。
この当時(1996年モデル)のスチール製メーカー完成車としてはまずまず軽いですね。
キャリア台座付なので、学生時代はキャンプツーリングにも使用していました。
【バイオレーサーによるポジション】
何年か前から、バイオレーサー5000(MTB)で求めたポジションに設定して乗っています。特に登坂とフラットダートで効果が実感出来ました。バイオレーサーはロードレーサーの為だけじゃありません。
前傾が結構深いので、戻せるようにコラムは15mm余裕を残しています。POSTMODANE SMICAステムは「軽い・安い・きれい」なので選びました。ステムとシートピラー(RITCHEY Classicポスト)だけ新しいので、ポリッシュ部品を探すのに苦労しました。
【ノーマル風を維持してカスタムする。】
いぢっていない風に いぢります。
サスペンションはROCKSHOX QUADRA21R。この頃のトレックMTBは、リジッドフォークとサスペンションフォークが選択出来ました。モデル名末尾に「~SHX」と付くのがサスペンション付。
QUADRA21Rはエラストマースプリングのみの軽量でシンプルなモデル。これをSPEED SPRINGSというコイルに交換してあります。エラストマーのままだったら20年以上経ったいま、劣化して使えなくなっていたことでしょう。ダンパーも無いので、壊れるところが無く安心長持ちです。
「いぢっていない風」に反するのですが、全く見えない部分のチューンナップなのでステッカーでさりげなくアピール。
GRAFTONのカンティレバーブレーキにシマノXT(BR-M737)のシュー。まだこの頃はアメリカのガレージメーカーが沢山有りました。カラーアルマイトの部品がカスタムの定番でしたが「いかにも」を避ける為にシルバーを選択。
世界最小のチドリ、BRAKE BUTTON。調整が少し手間ですが、軽量です。
アーチワイヤーのナプスを押さえるのにはワイヤーカッターがぴったり。
SUNTOUR(前田工業)のフロントハブ。
この当時のフロントハブは、わざわざ「サスペンション対応」を謳った製品が多かったように記憶しています。これも、そう。ハブ軸や本体を太くして従来品より剛性が高いことを訴求していました。
ちなみにその前に使っていたのはこれでした。トレックのY33用トレック純正。
なるべくノーマル風にするのが私の流儀なのですが、つい色気を出してしまいゴールドを配色。ニップル・バルブキャップ・アウターキャップという、小さいところだけです。スポークは15番(φ1.8mm)で軽量化。
見た目ノーマル カスタムの極みが、これ。XTのリアハブですが、ハブ軸ををSRP製のチタンアクスルに交換してあります。
マウンテンバイクも10速の時代において、8速コンポーネントを使い続けております。旧いフレームには旧い部品の方が雰囲気が合うから、というだけの理由で。性能はもちろん最新のものの方が断然良いですよ。
ここも一見ノーマルのディレーラーですが、WORLD CLASSシールドベアリングアルミプーリーやSRPチタンプーリーボルト等を使っております。このXTの純正プーリーがグレーなことを御存知の方にはいじってあることを見抜かれてしまいます。
シフターは、GRIPSHIFT SRT-800X-RAY。ラバー部分はスラム純正のSHARK TOOTHに換えてあります。泥や水で汚れたグローブだと滑り易いグリップシフトの弱点を改善する、突起が大きいパターンを採用しています。
ATI LINX MTB は、溝に沿ってカットするとグリップシフトに都合の良い長さになります。
こちらもスラム純正のチューンナップパーツ。バスワームと言います。スラム製のリアディレーラーに比べてシマノはスプリングが弱めなので、コンディションが悪いと小ギア側への変速がもたつくことが有ります。バスワームは、テンションを掛けたゴムチューブが縮む力でインナーワイヤーを引っ張り、リリースを補助するという秀逸なアイディア商品です。
振動でシフトインナーがトップチューブに当たったり擦れたりしないように、JAGWIREのOリングを通してあります。これ、ブレーキ用とシフト用が有るのですが、ゆるゆるになってしまうのでブレーキワイヤーにもシフトのを使っています。それでも使ううちにずれてくるので、私は瞬間接着剤で留めてしまいます。美しい位置で!
アウターキャップもJAGです。
標準装備のギアは前42-32-22T、後11-28Tでした。当時マイナーチェンジしたばかりのXTのスプロケットは11-30が加わり、それを選ぶ事も出来ました。でも、より軽いギア比とより軽い重量の為に、インナーを20Tに。
シマノには無い歯数です。どこのブランドのチェンリングか失念しました。丸い穴が開いているのが見えますが、これは単なる肉抜きではなくてサンツアーMD(マイクロドライブ)規格のクランクに取り付けるときにチェーンリングボルトが通ります。
クランクボルトはWORLD CLASSのチタン製ワンキーリリースタイプ。
キャパシティーの範囲内ですが、20Tにしてから極まれにチェーンがフレーム側に落ちることが有りました。そこで、RIOチェーンフォールプロテクターで対策しています。今回ご紹介する中で唯一の現行商品です。
この自転車はリアディレーラー以外LX仕様だったのですが、XTに換えてあります。性能には全く不満が有りませんでしたが、銀色にしたかったので(この年式のLXはグロスブラックの塗装仕上でした)。
完成車で購入(入社前にGALAXY=現ワイズロード池袋店で!)したものですが、残っているのはフレーム・フォークの他はシフター・リアディレーラー・リムのみ。「なのに普通」な見た目が好みです。重量はノーマル11.8kgから10.8kgに軽量化されています。
もう手に入らない品物ばかりなのに、御精読頂き有難う御座います。
気に入ったものを長く使いたいタチなので、どうしてもこうなってしまうのです。ちなみに、8速を維持する為にグリップシフト2ペア・ラピッドファイア2ペア・スプロケット2ペア・リアディレーラー1個・フロントディレーラー1個・クランクアーム1ペアほかを予備として持っています。
表面仕上げはWAXOYLを施工。当社で新品の自転車かフレームをお求め頂くと無料で施工しております(お持込の場合は¥7,000~)。いわゆるシーラントというもので、塗装面などの細かい凹凸を平滑にします。その結果摩擦が少なくなり汚れが付きにくくなります。艶はそれほど出ないのが特徴ですが、それでもこの通り。深みのあるカラーは見た目にも違いが出易いのです。
ワイズロード銀座勝どき店 アーバンe-コミューター
Y's Road Ginza Kachidoki urban e-commuter
住所:東京都中央区勝どき4-13-4
Tel:03-5548-5202
営業時間:月~金 / 12:00~20:00
土日祝 / 11:00~19:00
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