Q.レーパンの下は下着をつけないって本当?!
A.はい、ほんとうです。
サイクルウェアを着慣れている方は『うんうん』、と頷いていそうですが、『えっ…?!』ってなった方も結構多いのではないでしょうか。
お店でもお客様に訊ねられてお答えすると『えっ、そうなんですか?!本当に?!』とよく言われます。
レーパン(レーサーパンツ、およびパッド付パンツ全般)の下には、基本的に下着は穿きません。
パッド付パンツはパッド部分をおしりに密着させることを前提に設計されていますので、直接穿いていただくのが一番パッドの効果を発揮できる状態なんです。なので、ノーパンでの着用・直ばきが推奨されています。
パンツはいてちゃだめなの?
↑で、『基本的に』穿きません、と書いたように、絶対そうしなきゃだめだというわけではありません。
レースに出るならばともかく、多くの方は自由にのんびり楽しむものとして自転車に乗っていただいていると思います。楽しみ方も服装もそれぞれ違って自由度が高いのが自転車の良いところでもあるので、これはあくまでも『推奨』というお話で、レーパンはノーパンで穿くのが常識だよ!ってガチガチなことを言うつもりはありません。どうしても恥ずかしくて…ということで、下着を着用した上からレーパンを穿く方が多いのも事実です。
サイクルウェアは、自転車をもっと快適に、もっと楽ちんにするためのもの。(サイクルウェアの利点についての詳しいお話はこちらの記事もご覧ください)ご自身が特に痛みやストレスを感じないのならどんな格好でも大丈夫です。(もちろんウェア館スタッフとしては快適なサイクリングのためにサイクルウェアの着用をおすすめしますが!)
ただ、『パッド付きパンツを穿いているのに痛みがある』ならば話は変わってきます。
パッド付きをはいてるのにおしりが痛い!?
パッド付きのパンツを穿いてるのにおしりが痛くなってしまう!という方のご相談も度々お受けしますが、大きな要因となり得るのが、実はこの『下着の有無』だったりします。
他にも骨格的な要因・姿勢が要因・衣服が身体に合っていないなど様々な要因が考えられますが、服を何着も試すのも大変ですし、骨格や姿勢はそう簡単に変えられません。簡単に試せて、改善に繋がるケースが多いため、もし下着を中に穿いていて『パッドつけてるのにお尻が痛くなってしまう…』っていうお悩みをお持ちならば、だまされたと思って下着をつけずに直接レーパンを穿いてみてください。
実際に、痛みに悩んでもっと良い(分厚い)パッドを…とお求めのお客様がいらっしゃった際にこのお話をし、一度試してみられたところ、『すごいよ、全然痛くなかったよ!』と喜んで報告くださった事例もあります。
なぜ下着をつけることでお尻が痛くなってしまうのか?
では、なぜ下着をつけることでお尻が痛くなってしまう可能性があるのでしょうか?
先にも述べましたが、パッド付パンツは直接身につけることでその効果を最大限に発揮します。
自転車のペダルを回す上で一番稼働率の高い部分である足の付け根とサドルとの間の摩擦をできる限り軽減するために伸縮性に優れ、皮膚との摩擦を生む縫い目を極力取り払った素材、足の動きを妨げずにお尻を守るパッド、サイクルウェア特有の吸汗速乾性etc…と様々な面でサポートしてくれます。それらは全部、おしりに密着してこそ発揮される効果。
身体とパッドの間に下着があると、パッドの上で下着の布地がずるっと滑ります。下着特有の肌あたりの良いすべすべした生地ならなおのこと。その結果、サドルからお尻が滑り落ちてしまって、当たるべきところにパッドが当たらなくなり、お尻や股の部分が守られずに痛くなってしまうのです。
さらに、下着とレーパンが別々に動いてしまうので布同士の摩擦が生まれ、そこが股ズレを起こしてしまう可能性もあります。これも痛い!!股ズレはプロ選手ですら耐えかねてレースを棄権することがあるくらい。可能性は最小限にしておきたいところ。
また、吸汗速乾性に優れたレーサーパンツと違い、下着は基本的にスポーツで大量にかく汗にまでは対応していないものがほとんど。びっしょり濡れた下着で肌がかぶれてしまったり、不快感を感じたりすることもありますし、濡れた衣服が身体に接していると汗冷えも起こしてしまいます。
下着が要因で痛みや不快感が生じているケースが実は結構多いんです。
ノーパンとか絶対無理!!!
とは言え、日本人は恥ずかしがりやさんが多いので『ノーパンとか絶対無理!!』って方も増えています。そんな方には、レーパンの直ばきに抵抗のある方向けの『レーパンの下に穿くためのショーツ』がパールイズミから男性用・女性用ともに発売されているので、そちらを着用いただくのがおすすめです。
ノーパンで試してみたいけど、やっぱり恥ずかしいな…って方には上からショートパンツやハーフパンツ、女性ならばスカートなどを穿くスタイルも人気です。
重ねばき向きのアイテムはさらりとした生地感のものが多いため、サドルの上でお尻が滑ってしまう可能性が無いわけではないですが、おしりとパッドが密着した状態を維持できるため段階を踏んでまずこちらのスタイルからお試しいただくのも良いかと思います。これなら中がノーパンでも人目が気になりませんよ♪
気が向いたらノーパンチャレンジ!!
改めて。下着穿いた上からレーパン穿いてるけど痛くならないし気にならないよ!!って方は、別にそのままで構いません。これが常識です!!下着は穿いちゃだめ!!なんて言ったりしません。
ただ、本質は素肌に直接つけるものなので、もし気が向いたら是非試してみていただきたいなって思います。せっかく快適なものを使用しているんだから、もっと快適に楽しんでほしい!!という気持ちでそっとプッシュしておきますね。
長々と書いてきましたが、意外と人に聞けないレーパンの穿き方、少しでも参考になれば幸いです!相談、疑問、ありましたら是非スタッフにきいてみてくださいねー!!