こんにちは。池袋本館の長山です。
今回は、2014年・秋のロングライドのレポートを、
加筆修正の上で連載にてお届けする「その2」です。
本レポートで、健脚自転車・ロードバイクの醍醐味の
一端を少しでもお伝え出来ればと思います。
また、旅に出にくい昨今、このレポートで僅かばかりでも
旅気分を味わっていただけたら幸いです。
ライド2日目
2014年9月29日(月)
4時半頃起床。
また前夜いろいろあり、睡眠は3時間ほど。
微妙に眠い。
がっつり走った翌日の早起きは寝坊しそうですが、
感覚が興奮して冴えるのか、妙にスッと目覚めたりします。
以前、トライアスロンのIRONMANに参加したことがあるのですが、
その大会翌日も妙にスッと目覚めたのを思い出しました。
周囲の仲間も同じことを言っていたので、
そういうものなのかも知れません。
(※IRONMAN:スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km)
それよりも、風邪ひきました。
朝晩の冷え込みでやられたか・・・。
風邪でいろいろしんどい症状が出始めるのは
私の場合だいたい2、3日後なので、
とりあえず無視します。病は気から!
ホテル「ルートイン」は朝食込みでしたが、時間を稼ぎたいので
6時半スタートの朝食券は使わずパス。
名残惜しいですが、コンビニで立ち食い補給の方が手短で済みます。
5:08 チェックアウトして外に出たら、寒っ!!
さすがみちのく、朝晩の冷え込みは厳しくなりつつあります。
5:43 自然と、自販機のホットに吸い寄せられます。
こういう時は、体内から温めるべし!
実は、郡山には私の父方、母方両方のお墓があり、
この年は一度も墓参出来ていなかったので、
ささっと寄ってお参りしました。
まさか自走で墓参する事になるとは思ってもみませんでした。
新幹線なら、東京駅から1時間20分程で郡山駅です。
墓参を済ませたタイミングで、ちょうど朝日が出てきました。
6:08 まぶしい光を浴びると、自然とパワーが湧きますね。
気合を入れて本編に戻ります。
国道4号に戻り、北進。 6:14
道は広く、走りやすい。これは助かる。
しかも、妙に快調と思ってよくよく考えたら、向かい風がない。
昨日は随分と風に抗っていたんだなぁと実感。
30分程進んだところで朝食のためコンビニへ。
豚丼と、おにぎりと、ご当地「酪王」牛乳。
時刻は6時半頃、朝っぱらからヘビーですが、
身体が欲していたので軽く平らげてしまいました。
補給が済んだらまた前進。
道はずっと広く、快調。スーイスイ。
・・・どころか、だんだん立派な道になってきて、
車のペースも上がり、高速道路みたいになってきました。
バイパス化か、怖ぇ~。落車は厳禁!
もう一つ、細心の注意を払ったのが道の分岐点。
直角に分かれる普通の交差点と違い、
分岐の道が進行方向・左斜め前にカーブしながら
分かれて行くようになりました。
本線は直進なので、端を走る自転車は分岐の道を横断する形になります。
その際、分岐道に進み来る車も本線並に高速で来るので、
何も考えずに横断しようとしたら
即、轢かれます!
後続が切れるのを念入りに確認して
本線に戻ります。
この斜め分岐は頻繁に現れるので、かなり気を遣いました。
煩わしかったですが、一度でも
「勢いで突っ切ってしまえ」
なんて気を起こしたら左折巻き込み事故のもと。
一旦停止と後続確認を徹底しました。
そういう緊張感の合間に、どんぐりころころで癒されたり、
7:22
のどかな景色にホッとしたり。
7:26
右手に流れる高速化道路とは対照的に、左手は低速のんびりムード。
7:41
良い景色がある度、前日に続き
また釣られて止まってしまいますが、
もうすっかり開き直りました。
7:48 福島市へ。
福島市街へは、思いの外しっかり下って行きます。
こんなに登った記憶無いなぁ。いつの間に。
「かげろう発生スリップ注意」の阿武隈川。
ニュースでも取り上げられていました。
8:46
9:16 気が付くと、郡山で遥か斜め前方に見えていた
安達太良などの山々が、遥か斜め後方に霞んでいます。
あの遥か向こうから走って来たんだよな~。
自転車の威力を感じる、楽しい瞬間です。
ヘビーな朝飯も空しく、腹が減ったので
道端にあった「すき家」で第2朝食。
朝といえば納豆飯と味噌汁、鉄板の組み合わせ。
朝食を摂ったという確かな実感に満たされます(笑)
奥羽山脈方向を望む。 9:55
だんだん、気温が上がってきました。
早朝から10℃以上は上がったようで、
ウインドブレーカーを脱ぎます。
冬はかなり風が強そう。
どれ位凄いのかな?
宮城県が近い国見町で、プチコンビニ補給。
それが済んだら今回の行程最大の難所、
奥羽山脈越えにかかります。
桑折(こおり)の宿からスタートの羽州街道で、まずは小坂峠へ。
10:46 山に向かって一直線な展開、
こりゃ急坂だと思っていたら案の定。
グイグイ行く道のりです。
振り返ると、さっき駆け抜けた町があっという間に眼下へ。
そして山道へと突入して行きます。
お約束の「クマ注意!!」登場。 10:50
日中は大丈夫かと思いますが・・・やはり気が引き締まります。
空の青さが清々しい。 10:58
今回の行程初の、正統派ツーリングらしい展開。
ここまではひたすら幹線国道でしたからね。
こんな山奥に、天使ランド!? 10:59
まさか物の怪では・・・(笑)
あ、こんちは。
「なんかヘンなのが来やがった」
とか思われていたかも知れません。
11:04
ひたすらグイグイ登るので、一気に景色が開けて行きます。
11:07
景色が開ける度に顔を振り振り。
弁慶が、景色良くて(あるいは坂がきつくて)
顔を振り振り登ったと云われる奥武蔵の顔振峠を思い出します。
小坂峠で、宮城県へ。 11:27
羽州街道の看板があり、出羽国・山形、秋田へと通じる街道の
線上にいるという確かな実感。テンションが上がります。
往時の人々は、もっとずっと苦労してこの山越えをしたことでしょう。
小坂峠からは気持ちの良い下り。 11:42
今までの道のりとは全く違う、素朴な山並みの懐を駆け抜けます。
街道の風情を残すところもちらほら。
何だか本当に正調ツーリングになってきました。
11:48
キュッと登り返しながら、国道113号へ取りつきます。 11:58
国道へ出たら、さっき駆け下ってきた山域を一望。
あそこら辺を下って、こっち側に登って来たんだなぁ。 12:08
「横風注意」
厳しい自然が立ちはだかるルートだと想像がつきます。
12:12
羽州街道でも、この奥羽山脈越えは七ヶ宿街道と呼ばれます。
険しい山越えの為、間に七つの宿があったのが由来とか。
気合入れてかからねば! 12:15
と思いきや、天気が良い分には実に爽やかな道のり。 12:20
関東近辺とは何かが違う、雄大な山並みが広がります。 12:24
森は深く、山の醸し出す表情も違う。12:28
道のりは、アップダウンを繰り返しながらのアップで、
なかなかの走り応え。標高がそれほど高くないので
油断していましたが、思ったよりも苦戦します。
さすがは七ヶ宿街道。
その苦戦を、黄金色の稲穂が慰めてくれます。
よく実った!自然の力は偉大。
12:51
12:57 今回の行程で、この周辺だけ宮城県、ちょこっと掠めて
あとは山形県と思っていましたが、これだけしっかり走れば
「宮城県も走りました」
という確かな実感が湧いてきます。
そのため、どんどん腹が減る。
でも、コンビニは無い山中。
13:04 アスパラドリンクを見つけた以外は、フロントバッグに詰めた
オレオ、アーモンドチョコ、スポーツようかんプラス
を代わる代わるパクつきます。
みんな甘い系ですが、甘い中にも違う味わいがあるものですね。
意外と飽きずにいけました。
刈り入れ!!
こうやって、お米は食卓へとやってくるんだ・・・。
しみじみ。 13:29
蕎麦の里というキャッチフレーズを見た直後、
蕎麦屋があったので入りました。13:37
その名も「芭蕉庵」
時間は喰ってしまいますが、せっかくです。
それに、七ヶ宿街道は走り応えというスポーツ面だけでなく、
風光明媚な中に旧街道の佇まいが点在するという、
旅面でも実に魅力的なコース。
そこに一花添える、格好のランチスポットとなりました。
いやー美味い!
腹の虫が、貪りました。
「そばはちみつ」なる土産も購入。
黒ーいハチミツ。
どんなお味か、お楽しみ!
更に街道を進みます。 14:29
羽州街道は、国道113号から離れて
上山へ向かう県道へと進路をとります。 14:33
その方が近道でもあるので、街道に忠実に行くと、
この先通行止めの看板! 14:36
むむっ。
でも、車はダメでも徒歩や自転車だと道が用意されている場合もあるし、
まあとりあえず行ってみるかと気楽に前進。
峠までは5km程なだらかな登坂。 14:50
15:02 気持ちの良い峠道で、県境に到達。
遂に山形県だ!
・・・けど、
「全車両通行止」
「下のゲート ロックされてます」
こりゃダメだ!!
時は15時、徒歩の抜け道が用意されている気配もなく、
ヘタに突っ込んで深みにはまったら、日没は遠くない。
潔く引き返すことにしました。
悔し紛れに、徒歩で山形県に一歩入って、また宮城県に逆戻り。
なかなか山形県に轍を刻ませてくれない。
これで通行止めポイントまでの往復10km分ロス、
でも峠のピークを一つ狩ったから、まあ良いか!
国道113号に戻り、南陽市経由で北を目指します。
それによって遠回り、更にプラス約20km増加。
トータル約30kmのロスはかなり痛い。
でも、この迂回によって、強烈に印象に残る二つの
光景と出会うことになるのでした。
その3へつづく
CATEYE INOUで取った記録
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