こんにちは。池袋本館の長山です。
今回は、2014年・秋のロングライドのレポートを、
加筆修正の上で連載にてお届けする「その6」です。
本レポートで、健脚自転車・ロードバイクの醍醐味の
一端を少しでもお伝え出来ればと思います。
また、旅に出にくい昨今、このレポートで僅かばかりでも
旅気分を味わっていただけたら幸いです。
ライド3日目
2014年9月30日(火) その2
秋田路スタート。 12:26
こういう看板のひしゃげ具合、豪雪の仕業かなあ?
「かまくら」の本場が近い地域です。
上りの奥羽本線に遭遇。 12:33
後々に時刻表を確認したら、本線ながらも
約1時間半~2時間に1本のローカル区間でした。
「美人を育てる秋田米」「JAこまち」
秋田っぽい! 12:42
「フォレスタ鳥海まで40km」
前年2013年の鳥海山ヒルクライム大会参戦旅で泊まった宿!
あそこまで40kmの近所まで、自走で来たか・・・。
部屋に自転車 in OK!
窓から鳥海山の雄姿ドーン!!
綺麗な宿でした。
(2013年7月27日)
相変わらず、良い景色が続きます。
ただただ溜息が出るばかり。 12:51
景色を見ながら、ふと妙に腹が減っていると思ったら、
7時半頃の液体朝食以降、合間に手持ちのおやつを
つまんでいただけでした。
時は既に13時、そりゃ腹減るわけだ。
そんなことも忘れるほどの絶景越境街道だったということですね。
気が付いた途端、空腹でパワーダウン。
ふらふらとたどり着いた道の駅おがちで大休憩。
稲庭うどんと、稲庭ラーメン。
どっちか迷ったので、両方行きました。
ウマ~。 13:23
本日最初のまとまった固形食です。
それにしても、雑な写真の撮り方。
早くがっつきたかった気持ちがよく写っています。
そのまま堰を切ったかのように、
あきたこまちジェラートを食し、 13:52
コーヒーとマラサダドーナツでくつろぎ、 14:07
のんびり土産を物色して、更にエナジードリンクも補給。
15:01
気が付けば、道の駅おがち滞在は二時間弱。
今回の旅路初の、しっかりとした休憩でした。
「あともう一週遅かったら、朝晩の冷え込みが
きつくなって大変だったよ。良い時に来たね」
と、売店のおじさんが声をかけてくれました。
たまたま発生した三連休が、たまたま良い時期に重なった。
これは本当にラッキーでした。
その分、三連休前は休みが少なく大変でしたが、
苦しいことは後になって、実は布石だったんだと解るものですね。
湯沢市は小野小町生誕の地。
華やかな美人のイメージがありましたが、
こんな素朴な田舎出身だったんですね。
だからこそ純粋で、美しかったか?
男としては気になるところ(笑)
せっかくなので、小町塚と小町宮へ寄り道。 15:35
ここで地元のおじさんと軽く立ち話。
(写真に小さく写っている方)
この方の息子さん?お孫さん?失念しましたが、
自転車で旅して帰ってきたら、精神が強くなっていたよ、
という話を聞かせて下さいました。
自分は自転車に乗って、何か変わっただろうか。
もし自転車に乗っていなかったら、
一体どういうキャラになっていたのだろうか?
わかりません!!
この地方周辺には漫画「釣りキチ三平」
や「流れ星・銀」のふるさともあります。
ゆっくり再訪してみたいですね。
残り時間と距離から、今回の旅路のゴールは
「大曲」駅と定めました。
大曲は花火で有名なところ。
秋田新幹線一本で東京へ帰れます。
この感じなら、自走で花火見物も可能か!?
さすがにやりませんが!
除雪車のウォーミングアップ!?
冬の近付きを感じます。
16:05
景色良いところでまた止まっていたら、
進行方向から霧が近づいてきた・・・
と思っていたら、霧ではなく雨でした!
ポツポツ、ザー!
にわか雨キター!!
慌てないよう努めながら、ペースをあげます。
思えば、ここまで雨に当たらなかったのがラッキー過ぎました。
こういう変拍子も、たまには良いか。
写真では判りづらいですが、結構降っていました。
そうして走っていて、お、止んだ、と思ったら、
あれ、路面が乾いている。
いつの間にか、天気の境目を抜けてきたようです。
秋田県最初の小都市、湯沢。 16:36
のどかな田舎から一転、見なれた看板のオンパレード。
そんな中にも北国な酒場通りがあったりして、旅情を感じます。
何かの歌詞にありましたね。
横手市へ。 16:55
メジャーなB級グルメ横手やきそばの地ですね。
時間があれば食べたかった。
風雪強そう。この周辺の随所で見かけました。 17:02
この辺りの国道13号、道幅広いところもありますが、
道幅狭い区間の方が多くなってきます。
幹線国道というよりは普通の地方国道。
そこに黄昏時も重なってきて、後続車もバンバン。
でかいトラック率も高く、切れ間を見つけては
空いた車道を突っ走って、後続が迫ってきたら歩道に避けて、
を繰り返します。
17:24
降雨と日没で寒くなり、ホットドリンクを求めて自販機へ。
そこで、路面の縦段差にタイヤをとられて立ちゴケ!
これは、悔しい!
普段から、安全走行は全て自分次第という気持ちで走っています。
かつて事故に遭って以来、そう考えるようになりました。
それが、転んだ。まだまだ油断があったということです。
疲労で、集中力が落ちていたのもあるかも知れませんが、
それも請け負った上での走行なので、言い訳になりません。
反省です。
この時間帯は星よりも月明かりが優勢。 18:18
満点の星空、また見たかったなあ。
ローソンとセブンのガチバトル!
コンビニには本当にお世話になりました。
これまで何度も書いてきましたが、
空腹や寒い時、暗い時に店の明かりを見ると、
随分ホッとしたものでした。
今回のゴールと定めた大曲駅のある大仙市! 18:38
町のある方向が光っていて良くわかります。
この辺りから道の広さが復活、
余力を残す必要もないし、全力ダーッシュ!
時速35~40km位かなと、暗がりの中メーターを見ると、29km。
あり?こんなに漕いでいるのに。
実は向かい風が強いのだと気付きました。遮蔽物も無し。
まあもう、どうでも良いや。
ひたすらがむしゃらにラストスパート!
そして、国道105号線に行き当たります。
繋がった、轍。
実は国道105号線は、2004年に全線を走りました。
その時のツーリングで、今回の目標地だった大館も通っていました。
今回、大館には届きませんでしたが、
これで自走の轍を繋げることは出来ました。
また、国道105号線は羽後本荘まで行っています。
前年2013年、鳥海山ヒルクライムの舞台・矢島から羽後本荘まで
走っていたので、これで矢島とも自走の轍が繋がりました。
轍をツナゲル遊びは楽しいですね!
大館と「大」違いの大曲駅へ。 19:06
東京行き最終新幹線は19:44発。
時間の余裕はあまりない。
輪行パッキングして、切符買って、
帰りの車内用の食料を買ってホームに行ったら、
残り時間は約10分でした。もう少し遅れていたら、
終電を逃すところでした。危ないアブナイ。
でも、こういうギリギリな感じが楽しかったりするから、
我ながら困ったものです。
それにしても、こんな時間の出発で、
当日中に大曲から東京へ戻れるなんて!
凄い時代になったものです。
あきたこまち弁当と高清水ワンカップで、無事終走の祝杯。
道中の稲田を思い出し、しみじみ米を味わいました。
実は、秋田新幹線の座席って、
稲穂の黄金色をイメージした配色なんです。
今までは「ふ~ん」て感じで利用していましたが、
今回、輝く田んぼをたくさん見て合点がいきました。
新幹線でバッビューンと東京へ約三時間半。
自転車で三日間かかった道のり、
高速巻き戻しを喰らった気分です。
こういうことで、新幹線の威力というものがよく判ります。
走行距離:102km
獲得標高:1044m
走行時間:10時間39分
平均速度:22.8km(三日間の合算)
この日の走行は結局102kmだけ。
心のシフトチェンジもあって、ただのツーリングライドでした。
最終的に、三日間合計で572km。
大館まで目標700km強には届きませんでした。
旅人気性ゆえに道草や寄り道が多過ぎて、
体力的に出し切ることもなく不完全燃焼でしたが、
ただ突っ走るだけならいつでも出来ます。
季節、景色、天候、三拍子に恵まれた道のりを
大事にしながらのロングライド、心残りはありませんでした。
ふりだしの多摩川の景色に戻りました。
(最寄り駅からは手押し徒歩で)
そして日常へ・・・。
レポートを書いてみたら、6話に及ぶ長編。
それだけ、印象深く濃い道中だったのだと思います。
漕ぎ続ければ、遠くへ行ける。
そんな当たり前のことをしみじみ感じた旅路でした。
長々とお付き合い下さり、ありがとうございました!
完
・・・と思いきや、実はこの約一月後、
続編をこさえていました!!
続編の名に恥じない、強烈に印象深いライドでした。
次回より、懲りずにそのレポートをお届けしたいと思います。
続その1へつづく
CATEYE INOUで取った記録
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