前回ブログ(ホイールの剛性について)がありがたいことにご好評を頂きました。
今回はその続きとなる主要部位、リムハイトについてご紹介します。
もう知ってるよ!!というお客様にも気になる最新のリムハイト事情もございます。
ぜひご覧ください。
今回は当店にてリムハイトが3種類ございますMAVICのCOSMICシリーズを例に比較していきます。
導入:リムハイトについて知ろう
1. そもそもリムハイトって??
語弊を恐れずに言えばリムの高さです。
例:MAVIC COSMIC SL 45 DISC
この長さを測定すると45mmとなります。
いわゆるディープリムはリムハイトが
高いホイールということになります。
次のセクションからはこのリムハイトが変わる事で
何がどう変わるかをご説明します。
メインテーマ:
リムハイトが変わるとどうなるか
①乗り心地が変化する(剛性が変化する)
定規を机の外に出してしならせて遊んだことがあるとイメージしやすいのですが、外に出ている長さが長いほど良くしなったのではないでしょうか。
逆に短いとほとんどしならず、あまり面白味の無い物だったと思います。
さて、何のお話しかと言いますと、リムハイトの変化=スポークの長さの変化となりますね。
つまり、リムハイトの高いホイールは、スポーク長が短いため高剛性に、短いホイールですと低剛性になります。
ではリムハイトが高い方が良いかというと一概にそうとは言えないのは前回のブログからも言えます。
脚質に合わない剛性のホイールを用いても途中でばててしまっては本も子もありませんよね。
また、重くなってしまうのでクライムは少し苦手となる傾向があります。
②高速域での空気抵抗のロスが変化する
[caption id="" align="alignnone" width="400"] 引用元:https://www.desabi.es/aerodinamica-de-ruedas-entrenamiento-de-ciclismo-trialton/[/caption]
写真は
リムハイトの低いホイール(上2枚)と
リムハイトの高いホイール(下2枚)の実験映像のグラフィックです。
リムハイトが高い方が後ろに流れる風(緑の面積)がコンパクトになっておりこちらの方が空気抵抗が少なく速く走れるわけです。
実際、トライアスロンやTTではディスクホイールの様なごつい見た目のホイールが多用されていますよね。
さて、以上の説明だけですとリムハイトが高い=正義となってしまいそうですが弱点もいくつかございます。
➂横風の影響が変わる
凄く単純な話ではありますが、リムハイトが高いと横から受ける面積が大きくなるため、
強風下で使用するのは少なからずリスクを伴います。
特に市街地等で使用する際は注意が必要で、不用意に使ってしまうと風に流されて
縁石に乗り上げたり車と接触したり・・・などの危険もございます。
例えば風速7m/sに対してリムハイト65mmで臨んだレースですと、キープレフトがルールでしたが怖くて真ん中に寄らざるを得ませんでした。
④重さが変わる
ホイール外周付近が重くなるので、ペダリングするのにエネルギーが余分に必要になります。
例えばヨーヨーを回す時、手元を重くするより、ヨーヨー側を重くした方がしんどそう・・・
と考えて頂けるとイメージしやすいかもしれません。
ですのでプロチームのレースでも勾配のきついレースでは、剛性を捨てて軽量なリムハイトの低いホイールを使用する訳ですね。
ホイール選び方のまとめ
価格
・全体的に性能を底上げできる、(単品販売としては)ミドルグレードのアルミホイール:7~10万円
・レースも視野に入れて使える、高性能なアルミホイール:10~20万円
・軽さと空力、剛性を両立したカーボンホイール:20万円~
リムハイト別 得意なコース
20~40 ヒルクライム
40~50 オールラウンド
60以上 クリテリウム、TT、トライアスロン
という選び方になります。
リムハイト別 メリット
20~40 軽い、登りに最適
40~50 なんでもこなせてそこそこ軽い
60以上 空力性能最大、高速巡行しやすい
リムハイト別 デメリット
20~40 高速巡行性が低い、速度維持しにくい
40~50 とびぬけている性能がない
60以上 重い、横風を受けやすい。登りにくい
結論:あなたにとっての最適解
最終的な結論ですが色々な優先度がありますね。
①見た目の良さ
②性能
今回は②にフォーカスしてお話ししました。
実際今回お話しした内容が
どれだけ違うかは実際に乗ってみないと分からない、
といったご要望もございます。
そういったご要望にお応えして
当店ではMAVIC試乗を承っております。是非ご利用下さい。
ここからはより深い内容に突っ込んだ内容のリムハイトのお話しです。
完全に余談ですのでもっと知りたい!!というお客様はぜひご覧ください(笑)
余談:
最近のエアロホイール事情
Cervero S5のホイール、Reserveは前後でリムハイトが異なります。(フロント53,リア62)
DT SWISSも フロント50,リア62と前後で差があります。
ENVE SES4.5は50.56とやはり違いが見受けられます。
ものによってはリム幅さえ異なっています。
これに関して詳しい理由や詳細についてお話しするとブログどころか論文になってしまうのでかいつまんでお話しすると
前後でリムハイトが異なる方が全体的にエアロになる
というのが最近の研究結果のようです。
これからの進化にも注目です。
以上、完全な余談でした(笑)